意味
「蝉時雨(せみしぐれ)」は、大勢の蝉の鳴き声が幾重にも重なり合い、まるで雨が降りしきっているように聞こえる様子を指します。
鳴き声の大きさが波のように強まったり弱まったりしながら続くのも特徴で、真夏らしい情景を思わせます。
- 時雨(しぐれ):秋の終わりから冬の初めに降ったりやんだりする小雨。
語源・由来
「蝉時雨」は、多くの蝉が一斉に鳴きたてる声を、時雨の降る音に見立てた言葉です。
時雨は、降っては止み、また降り出すというように、途切れながら続く雨です。
蝉の鳴きしきる声も、大きくなったり小さくなったりしながら続きます。
使い方・例文
「蝉時雨」は、夏の情景を詠む俳句で使われる季語のひとつでもあります。
「降る」「包む」「浴びる」など、雨を思わせる動詞と組み合わせて使われます。
- 縁側で麦茶を飲んでいると、裏山から蝉時雨が降り注いできた。
- 参道を歩く間じゅう、頭上から絶え間ない蝉時雨を浴び続けた。
- 夏休みの宿題をする窓の外で、朝から蝉時雨が鳴り止まなかった。
類義語・関連語
この言葉と同じように、虫の声を時雨に見立てた言葉に、次のようなものがあります。
- 虫時雨(むししぐれ):
秋に鈴虫やキリギリスなどが鳴きしきる声を、時雨の音に見立てた言葉。
蝉時雨が夏の情景を表すのに対し、虫時雨は秋の情景を表す点が異なります。
蝉時雨をかなで書いた『蝉しぐれ』は、藤沢周平の小説
「蝉時雨」は、ひらがなを交えた「蝉しぐれ」という表記でもよく知られています。
その代表例が、藤沢周平が1986年から山形新聞の夕刊で連載し、1988年に文藝春秋から単行本として刊行した時代小説『蝉しぐれ』です。
物語の舞台は、庄内藩をモデルに作者が創り出した架空の藩海坂藩で、そこで生きた青年武士の一生が描かれます。



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