意味
「耳を傾ける(みみをかたむける)」とは、相手の言葉や物音を聞き逃すまいと、進んで意識を向けて聞く態度を表します。
ただ音が耳に届くのを待つのではなく、聞き手の側から自ら注意を寄せる姿勢を指す言葉です。
目上の人の助言や、立場の異なる相手の意見を軽んじず、真剣に受け止める場面でよく使われます。
語源・由来
「耳を傾ける」は、「耳」と「傾ける」という二つの語がそのまま組み合わさった表現です。
音のする方向へ耳を向けて集中して聞き取ろうとする仕草を、そのまま相手の話に注意を向ける態度の比喩として使うようになりました。
体の動作を表す言葉が、心の持ちようを表す言葉へと意味を広げた例です。
使い方・例文
政治家や経営者が、国民や社員の声に耳を傾けるという言い方でよく使われ、単に聞くだけでなく相手を尊重する姿勢を示します。
- 社長は現場の意見に耳を傾け、方針を見直した。
- 講演が終わると、会場は静かに彼の話に耳を傾けていた。
- 反対意見にも耳を傾けることが、良い決断につながる。
類義語・関連語
「耳を傾ける」と似た場面で使われる言葉に、次のようなものがあります。
- 耳を貸す(みみをかす):
人の言うことを聞くこと。また、相談にのること。
「耳を傾ける」と「耳を貸す」の違い
どちらも人の話を聞くことを表しますが、言い表していることが違います。
「耳を傾ける」は、注意を向けて熱心に聞くという、聞き方を表します。
「耳を貸す」は、人の言うことを聞く、また相談にのることを表し、「忠告に耳を貸さない」のように、聞こうとしない態度を言うときにもよく使われます。
| 語句 | 表すこと |
|---|---|
| 耳を傾ける (みみをかたむける) | 注意を向けて熱心に聞く |
| 耳を貸す (みみをかす) | 人の言うことを聞く・相談にのる |
対義語
一方、人の話を聞こうとしない態度を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 聞く耳を持たない(きくみみをもたない):
人の意見や忠告を、初めから聞き入れようとしないこと。
英語表現
英語では、次のような表現が近いニュアンスを持ちます。
be all ears
相手の話に全神経を集中させ、熱心に聞く姿勢を表す表現。
I’m all ears, so tell me everything that happened.
(何もかも聞くから、話してください。)
cock an ear
物音や話し声に気づき、そちらへ注意を向けて聞き取ろうとする表現。
She cocked an ear toward the door when she heard a knock.
(ノックの音に気づき、彼女はドアの方に耳を傾けた。)



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