慣用句

目から鼻へ抜ける

(めからはなへぬける)

頭の働きが非常によく、物事の判断がすばやいこと。

異形:目から鼻に抜ける

9文字の言葉 / 「め」から始まる言葉
目から鼻へ抜ける ことば
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意味

「目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける)」とは、非常に頭の働きがよく、物事の理解や判断が驚くほど早いという意味です。
抜け目がなく、すばしこい振る舞いを指して使うこともあります。

語源・由来

「抜ける」は、勢いよく通り過ぎて突き抜けることを表す言葉です。
「目から鼻へ抜ける」は、目に入った物事がそのまま鼻まで一気に突き抜けてしまうほど、反応や理解が速い様子を表した言い回しです。

使い方・例文

  • 彼は物覚えが早く、まさに目から鼻へ抜けるような子どもだった。
  • 新人なのに要点をすぐつかむ、目から鼻へ抜けるタイプの後輩だ。
  • あの商人は目から鼻へ抜けるほど抜け目がなく、商売がうまい。

類義語・関連語

「目から鼻へ抜ける」と同じく、理解や判断の速さを表す言葉に、次のようなものがあります。

  • 一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる):
    物事の一部を聞いただけで、全体を理解してしまうほど察しがよいこと。

「目から鼻へ抜ける」と「一を聞いて十を知る」の違い

どちらも優れた頭脳を指す言葉ですが、「目から鼻へ抜ける」が反応や判断の速さ全般を指すのに対し、「一を聞いて十を知る」は少ない情報から多くを導き出す推察力に焦点を当てています。

語句対象ニュアンス
目から鼻へ抜ける
(めからはなへぬける)
頭の働き全般反応や判断の速さ、抜け目のなさ
一を聞いて十を知る
(いちをきいてじゅうをしる)
推察力少ない情報から全体を導く聡明さ

英語表現

英語では、「目から鼻へ抜ける」に近い表現として次のようなものがあります。

sharp as a tack

非常に頭が良く、機転が利くことを表す表現。

She’s sharp as a tack and picks up new tasks instantly.
(彼女は目から鼻へ抜けるように、新しい仕事をすぐに覚える。)

quick on the uptake

物事の理解や判断が速いことを表す表現。

He’s always quick on the uptake in meetings.
(彼は会議でいつも目から鼻へ抜けるように理解が速い。)

『明暗』のお延、夫の見栄を見抜く「目から鼻へ抜ける」妻

夏目漱石の長編小説『明暗』(1916年)では、主人公の津田の妻、お延を形容するのにこの言い回しが使われています。
津田は見栄から、父の財産を実際よりはるかに多く見積もって妻に話し、自分を楽な身分の若旦那のように思わせていました。
そのため、お延に対する津田の内心と外に見せる顔には、かなりの隔たりがありました。
百十三の章には、次のようにあります。

少くとも彼女に対する内と外にはだいぶんの距離があった。
眼から鼻へ抜けるようなお延にはまたその距離が手に取るごとくに分った。
(『明暗』1916年)

夫が口に出さない見栄と本心のずれを、お延は言われなくても見抜いていた、という場面です。

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