「頭脳明晰」「博覧強記」「一を聞いて十を知る」など、頭がいい・賢い・知恵があることを表す四字熟語とことわざを集めました。
頭の回転の速さ、物知り、先を見通す力など、賢さの種類ごとに分けて、読みと意味を紹介します。
最後に、褒めるつもりで使うと失礼になる言葉もまとめました。
もくじ
頭の回転が速い・理解が速い・機転が利くことを表す四字熟語
- 頭脳明晰(ずのうめいせき):
頭の働きがよく、物事を筋道立ててはっきり考えられる様子。 - 才気煥発(さいきかんぱつ):
鋭い才知の働きが、生き生きと表に現れる様子。 - 当意即妙(とういそくみょう):
その場の状況にすぐ合わせて、気の利いた対応をすること。
「当意即妙の受け答え」のように使う。 - 臨機応変(りんきおうへん):
決まったやり方にこだわらず、そのときの状況に合わせてふさわしい手を打つこと。
頭のよさそのものより、対応の柔らかさをいう。 - 一目十行(いちもくじゅうぎょう):
ひと目で十行を読み取るほど、本を読むのが速いこと。
南朝の梁の皇帝・簡文帝が、一度に十行ずつ読んだという話から。 - 挙一反三(きょいちはんさん):
一つのことを教わると、関わりのあるほかのことまで自分で推し量って分かること。
四角形の一つの隅を示せば、残りの三つの隅も分かるという『論語』の言葉から。似た言葉に「挙一明三」がある。 - 眼光紙背(がんこうしはい):
文章の字面だけでなく、その裏にある書き手の真意まで読み取ること。
「眼光紙背に徹す」の形で使い、読み取る力や洞察の鋭さをいう。
物知り・博識を表す四字熟語
- 博覧強記(はくらんきょうき):
多くの書物に目を通し、その中身をよく覚えていること。
「博覧」は広く読んで多くを知る意、「強記」は記憶力に優れる意。 - 博学多才(はくがくたさい):
学問の幅が広く、多方面の才能も備えていること。 - 博学多識(はくがくたしき):
学識が幅広く、物事をよく知っていること。 - 博古通今(はくこつうこん):
昔のことにも今のことにも広く通じていること。
学問の深さをいうこともある。 - 飛耳長目(ひじちょうもく):
遠くの出来事までよく見聞きし、物事に鋭く通じていること。
遠くの音をとらえる耳と、遠くまで見える目の意。
聡明で知恵のある人を表す四字熟語
- 聡明叡知(そうめいえいち):
賢くて物事の道理に通じ、優れた知恵を備えている様子。
もとは聖人が備える徳をいう言葉。「聡明英知」とも書く。 - 百伶百利(ひゃくれいひゃくり):
非常に賢く、聡明な様子。
「伶」は賢い、「利」は利発の意で、「百」はその度合いが大きいことを表す。 - 有智高才(うちこうさい):
頭の働きがよく、才能や学識も高いこと。また、そういう人。
もとは仏教の言葉。 - 精明強幹(せいめいきょうかん):
聡明で物事に詳しく、仕事を手際よく片づける力もあること。 - 知勇兼備(ちゆうけんび):
優れた知恵と勇気を、あわせ持っていること。
「智勇兼備」とも書く。
先を見通す力・物事を見抜く目・優れた策略を表す四字熟語・言葉
- 先見の明(せんけんのめい):
将来の成り行きを、事が起こる前に見通す眼力。
「明」は物事を見分ける力のこと。 - 先知先覚(せんちせんがく):
世間の人より先に物事の道理を知り、悟ること。また、そういう人。
『孟子』にある言葉。 - 燃犀之明(ねんさいのめい):
物事の本質を鋭く見抜く、優れた見識のたとえ。
中国の東晋の温嶠が、犀の角を燃やして深い淵の底を照らし、水中の怪しいものを見たという話から。 - 岡目八目(おかめはちもく):
当事者より、そばで見ている第三者のほうが、物事の成り行きや損得を正しく判断できること。
囲碁を脇で見ている人は、打っている人より八目先まで読めるという意から。頭のよさではなく、立場によって見え方が変わることをいう。「傍目八目」とも書く。 - 神機妙算(しんきみょうさん):
人には思いもよらない、神業のように優れた計略。 - 神算鬼謀(しんさんきぼう):
人の知恵では及ばないほど巧みな策略。
「算」も「謀」もはかりごとの意。
本当に賢い人のあり方を言う四字熟語
- 知者不惑(ちしゃふわく):
道理をわきまえた賢い人は、判断に迷わないということ。
『論語』の言葉で、「知者は惑わず」と読み下して使う。 - 知者不言(ちしゃふげん):
物事を本当に分かっている人は、それを軽々しく口にしないということ。
『老子』の言葉で、「知る者は言わず、言う者は知らず」の形でもよく使う。 - 千慮一失(せんりょいっしつ):
どんなに賢い人でも、よく考えていながら思わぬ失敗をすることがあるということ。
「千慮の一失」の形でよく使う。愚かな人でも多く考えれば一つはよい考えが出るという「千慮の一得」と対になる。
頭がいい・理解が速いことを表すことわざ・慣用句
- 一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる):
わずかな話を聞いただけで、物事の全体まで分かってしまうほど賢いこと。
孔子の弟子の子貢が、同門の顔回をたたえた『論語』の言葉から。 - 目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける):
頭の働きがとても速く、判断がすばやい様子。
抜け目がなく、すばしこい様子にもいう。 - 打てば響く(うてばひびく):
働きかけると、すぐに手応えのある反応が返ってくること。
「打てば響くような受け答え」のように、反応の速さをいう。 - 頭が切れる(あたまがきれる):
頭の回転が速く、難しい問題もてきぱきと解決できる様子。 - 目端が利く(めはしがきく):
その場の様子を見て、すばやく才知を働かせられること。
「目端」は、その場を見計らう才知のこと。 - 機転が利く(きてんがきく):
状況に応じて、その場にふさわしい行動をとっさにとれること。 - 知恵が回る(ちえがまわる):
頭がよく働いて、その場に合った判断がすぐにできること。
「いたずらにだけは知恵が回る」のように、よくない方面に頭が働くことにも使う。
知恵・分別を表すことわざ
- 三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ):
特別に賢くない人でも、三人集まって相談すれば、よい考えが浮かぶということ。
「文殊」は、知恵の仏とされる文殊菩薩のこと。 - 亀の甲より年の劫(かめのこうよりとしのこう):
長い年月をかけて積んだ経験の貴さをいう言葉。
「劫」はきわめて長い時間のこと。「年の功」とも書く。 - 老いたる馬は道を忘れず(おいたるうまはみちをわすれず):
経験を積んだ人は物事の進め方を心得ていて、判断を誤らないということ。
春秋時代の斉の宰相・管仲の軍が道に迷ったとき、老いた馬を放ってその後について行き、帰り道を見つけたという故事から。「老馬の智」ともいう。 - 酸いも甘いも噛み分ける(すいもあまいもかみわける):
人生のさまざまな経験を経て、世の中の事情や人の気持ちの細かな動きをよく分かっていること。 - 能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす):
本当に力のある人は、それをむやみにひけらかさないということ。 - 大智は愚の如し(たいちはぐのごとし):
本当に知恵のある人は、それを見せびらかさないので、かえって愚かに見えるということ。
北宋の文人・蘇軾の言葉。四字熟語では「大智如愚」という。 - 知恵は小出しにせよ(ちえはこだしにせよ):
持っている知恵は一度に出しきらず、必要な場面ごとに少しずつ使うのがよいということ。
全部出してしまうと、後で行き詰まったときの手が残らないため。 - 知恵と力は重荷にならぬ(ちえとちからはおもににならぬ):
知恵や力はどれだけ身につけても負担にならず、多いほどよいという教え。
褒め言葉に使うと失礼になる言葉・反対の意味の言葉
ずる賢さや保身、才知の過信、知恵の足りなさを表す言葉です。
褒めるつもりで使うと、相手に失礼になるものがあります。
- 海千山千(うみせんやません):
世の中でさまざまな経験を積み、裏も表も知り尽くして、ずる賢くなっていること。また、そういう人。
海と山に千年ずつすんだ蛇が竜になる、という言い伝えによる。経験豊かな人を褒めるつもりで使うと、したたか者だと言うことになる。 - 要領がいい(ようりょうがいい):
物事の処理の仕方がうまいこと。また、人の目を盗んで手を抜くなど、ずるく立ち回るのがうまいこと。
二つ目の意味では非難を込めて使うので、仕事ぶりを褒めるなら「手際がいい」と言うほうが誤解されない。 - 才子才に倒れる(さいしさいにたおれる):
才知に優れた人は、自分の才を頼みすぎて、かえってしくじりやすいということ。
「才子才に溺れる」ともいう。賢い人を褒める言葉ではなく、才知への過信を戒める言葉。 - 明哲保身(めいてつほしん):
賢く道理に通じた人が、危うい事を避けて身の安全を保つこと。
もとは『詩経』で優れた臣下をたたえた言葉だが、自分の身だけを守って器用に立ち回るという意味で使われることもある。賢さだけを褒めたいときには向かない。 - 生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく):
生きた馬からでも目を抜き取るほど素早く、ずるくて油断のならない様子。
人を出し抜く抜け目のなさをいう言葉で、頭のよさを褒める意味はない。 - 一知半解(いっちはんかい):
物事を浅くしか理解しておらず、中途半端な知識しかないこと。
知識がある側ではなく、足りない側をいう言葉。 - 大男総身に知恵が回りかね(おおおとこそうみにちえがまわりかね):
体ばかり大きくて、知恵の働きが鈍い男をからかう言葉。
知恵が足りないことをいうので、人に向けると悪口になる。





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