地球の未来を思い、100年後の子供たちが笑って暮らせる環境を願う。
あるいは、困っている隣人にそっと手を差し伸べる。
私たちは日々の暮らしの中で、誰もが心地よく、かつ豊かに生き続けられる社会を築きたいと願うものです。
現代で広く語られるようになった、持続可能な開発目標を指す
「SDGs」(えすでぃーじーず)という言葉。
この新しい概念の根底にある「共生」「平等」「持続性」といった精神は、実は古くから日本のことわざや四字熟語の中にも息づいています。
- 共生とパートナーシップの知恵
- 相身互い(あいみたがい)
- 持ちつ持たれつ(もちつもたれつ)
- 情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)
- 三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)
- 呉越同舟(ごえつどうしゅう)
- 魚心あれば水心(うおごころあればみずごころ)
- 多様性と平等の尊重
- 環境保護と節度の知恵
- もったいない
- 足るを知る(たるをしる)
- 立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず)
- 依正不二(えしょうふに)
- 腹八分目に医者いらず(はらはちぶんめにいしゃいらず)
- 未来への責任とレジリエンス
- 塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
- 急がば回れ(いそがばまわれ)
- 備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし)
- 窮すれば通ず(きゅうすればつうず)
- 千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
- まとめ
共生とパートナーシップの知恵
SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」や、社会全体での支え合いを象徴する言葉です。
相身互い(あいみたがい)
同じ境遇にある者同士が、互いに同情し助け合うこと。
人は一人で生きているのではなく、常に誰かと支え合っているという相互扶助の原点を示す言葉です。
持ちつ持たれつ(もちつもたれつ)
一方が助ければ、もう一方も助けるという、互いに補い合う関係のこと。
特定の国や地域だけでなく、地球全体がこうした依存関係にあることを自覚し、協力する姿勢に通じます。
情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)
人に親切にすれば、それは巡り巡って自分に良い報いとなって返ってくるということ。
他者への貢献が結果として持続可能な社会の循環を生み、自分たちの未来をも守るという教訓です。
三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)
凡人であっても三人集まって相談すれば、素晴らしい知恵が生まれるということ。
複雑な地球規模の課題に対し、多様な立場の人々が協力して解決策を模索する大切さを教えてくれます。
呉越同舟(ごえつどうしゅう)
敵対する者同士であっても、共通の危機に直面した際には協力し合うということ。
気候変動という人類共通の脅威に対し、国境や利害を超えて団結すべき現在の国際情勢を象徴しています。
魚心あれば水心(うおごころあればみずごころ)
相手が好意を示せば、こちらもそれに応じた対応をするということ。
国際協力において、互いの信頼に基づいた良好な関係を築くことの重要性を示唆しています。
多様性と平等の尊重
「誰一人取り残さない」という理念や、多様な個性を認め合う姿勢を反映した言葉です。
十人十色(じゅうにんといろ)
考え方や好み、性格は人それぞれに異なっているということ。
ジェンダーや人種、宗教の違いを超え、一人ひとりの個性を尊重する多様性(ダイバーシティ)の精神を象徴します。
一視同仁(いっしどうじん)
すべての人を差別せず、平等に愛し、慈しむこと。
社会的な立場や境界線に関わらず、すべての生命を尊ぶ姿勢は、包摂的な社会の実現に欠かせません。
和而不同(わじふどう)
他人と和調はするが、安易に同調せず、自らの信念を失わないこと。
単なる「右倣え」ではなく、異なる意見を尊重し合いながら、より良い答えを共に探す民主的な姿勢を表します。
明日は我が身(あすはわがみ)
他人の身に起きた災難も、いつ自分の身に降りかかるか分からないということ。
遠くの国の貧困や紛争を他人事とせず、自分たちの課題として捉える連帯の視点を与えてくれます。
環境保護と節度の知恵
資源の有限性を理解し、持続可能な消費と生産(目標12)を実践するための言葉です。
もったいない
物の価値を十分に活かしきれず、無駄にしてしまうことを惜しみ、感謝する心。
ワンガリ・マータイ氏によって世界に広まったこの言葉は、リデュース、リユース、リサイクルの精神を凝縮した日本の宝です。
足るを知る(たるをしる)
身分相応に満足することを知り、むやみに欲張らないということ。
無限の経済成長を追うのではなく、地球の限界を考慮した適正な消費のあり方を問い直す言葉です。
立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず)
立ち去る者は、後が見苦しくないようにきれいに後始末をすべきであるという戒め。
自分たちが享受した環境を汚したままにせず、次世代に清らかな状態で受け渡す責任を思い起こさせます。
依正不二(えしょうふに)
生命(主体)と、それを取り巻く環境は一体であり、切り離すことができないという考え。
環境が破壊されれば生命もまた維持できないという、エコロジーの本質を突いた表現です。
腹八分目に医者いらず(はらはちぶんめにいしゃいらず)
暴飲暴食をせず、少し控えめにするのが健康に良いということ。
個人の健康管理(目標3)のみならず、資源を独占せず分かち合う「適正な消費」の比喩としても捉えられます。
未来への責任とレジリエンス
長期的な視点を持ち、強靭な社会基盤(目標9)を築くための教訓です。
塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
ごくわずかなものでも、積み重なれば大きなものになるということ。
一人ひとりの節電やゴミの削減といった小さな行動が、地球を救う大きな変化へとつながる希望の言葉です。
急がば回れ(いそがばまわれ)
急ぐときほど、危険な近道よりも安全で確実な遠回りを選ぶほうが結局は早いということ。
目先の利益や効率だけを追い求めず、長期的な持続可能性を優先する判断の重要性を教えてくれます。
備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし)
普段から準備を怠らなければ、いざというときに心配がないということ。
気候変動に伴う災害への対策(目標13)や、強靭なインフラ構築(目標9)の必要性を説いています。
窮すれば通ず(きゅうすればつうず)
最悪の事態に陥って行き詰まると、かえって活路が開けるということ。
既存のシステムが限界を迎えた今こそ、イノベーション(目標9)によって新たな持続可能な道が見つかるという励ましでもあります。
千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
どんなに大きな事業でも、まずは手近な一歩から始まるということ。
2030年、さらにその先の未来に向けた壮大な目標も、今日の私たちの小さな選択から始まります。
まとめ
「SDGs」は21世紀の国際的な目標として掲げられましたが、その精神は私たちが古くから大切にしてきた知恵と深く重なり合っています。
「もったいない」という心や、「足るを知る」という節度、そして「相身互い」の支え合い。
これらは、私たちがより良い未来を築くための羅針盤となる言葉です。
地球規模の大きな課題を前にして、立ち止まってしまうこともあるかもしれません。
しかし、先人たちが言葉に込めた知恵を紐解けば、日々の暮らしの中で自分にできることが見えてくるはずです。
言葉の力を借りて、一人ひとりが持続可能な社会の担い手として歩みを進めることが、未来への確かな一歩になることでしょう。






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