豊かな自然を守り、未来の子供たちが安心して暮らせる社会を残したい。
そんな世界中の共通の願いから生まれた国際的な目標を、
「SDGs」(えすでぃーじーず)と言います。
実はその精神は、私たちが古くから親しんできた言葉の中にも息づいています。
SDGsとは
「SDGs」は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
2015年の国連サミットで採択され、2030年までに貧困や環境問題、不平等といった地球規模の課題を解決し、より良い世界を目指すための17の国際目標を指します。
最大の特徴は「地球上の誰一人取り残さない」という理念を掲げている点にあります。
一部の国や専門家だけでなく、発展途上国も先進国も、そして企業や私たち一人ひとりが、日々の生活の中で協力して取り組むことが求められています。
共生と協力の知恵
社会全体での支え合いや、目標達成に向けたパートナーシップを象徴する言葉です。
- 相身互い(あいみたがい):
同じ境遇にある者同士が、互いに同情し助け合うこと。
人は一人で生きているのではなく、常に誰かと支え合っているという相互扶助の原点を示しています。 - 持ちつ持たれつ(もちつもたれつ):
一方が助ければ、もう一方も助けるという、互いに補い合う関係のこと。
特定の国や地域だけでなく、地球全体が依存関係にあることを自覚し、協力する姿勢に通じます。 - 三方よし(さんぽうよし):
「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人の経営理念。
自分たちの利益だけでなく、社会全体の幸福や持続可能性を考慮する考え方であり、現代のビジネスと社会貢献のあり方を体現しています。 - 情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず):
人に親切にすれば、それは巡り巡って自分に良い報いとなって返ってくるということ。
他者への貢献が結果として社会全体の循環を生み、自分たちの未来をも豊かにするという教えです。 - 三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ):
凡人であっても三人集まって相談すれば、素晴らしい知恵が生まれるということ。
複雑な地球規模の課題に対し、多様な立場の人々が協力して解決策を模索する大切さを教えてくれます。 - 共存共栄(きょうぞんきょうえい):
互いに助け合い、共に生存して栄えること。
国や立場の違いを超え、地球上のすべての命が共に豊かに生きるという根本的な目標を示しています。 - 呉越同舟(ごえつどうしゅう):
敵対する者同士であっても、共通の危機に直面した際には協力し合うということ。
気候変動という人類共通の脅威に対し、国境や利害を超えて団結すべき国際情勢を象徴しています。
多様性と平等の尊重
「誰一人取り残さない」という理念や、多様な個性を認め合う姿勢を反映した言葉です。
- 十人十色(じゅうにんといろ):
考え方や好み、性格は人それぞれに異なっているということ。
ジェンダーや人種、文化の違いを超え、一人ひとりの個性を尊重する多様性(ダイバーシティ)の精神を象徴します。 - 一視同仁(いっしどうじん):
すべての人を差別せず、平等に愛し、慈しむこと。
社会的な立場や境界線に関わらず、すべての生命を尊ぶ姿勢は、包摂的な社会の実現に欠かせません。 - 和而不同(わじふどう):
他人と協調はするが、道理に外れたことには安易に同調せず、自らの信念を失わないこと。
単なる同調ではなく、異なる意見を尊重し合いながら、より良い答えを共に探す姿勢を表します。
環境保護と資源の節約
資源の有限性を理解し、持続可能な消費と生産を実践するための言葉です。
- もったいない:
物の価値を十分に活かしきれず、無駄にしてしまうことを惜しみ、感謝する心。
ワンガリ・マータイ氏によって世界に広まったこの言葉は、環境保護と資源活用の精神を凝縮しています。 - 足るを知る(たるをしる):
分相応に満足することを知り、むやみに欲張らないということ。
無限の経済成長を追うのではなく、地球の限界を考慮した適正な消費のあり方を問い直す言葉です。 - 立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず):
立ち去る者は、後が見苦しくないようにきれいに後始末をすべきであるという戒め。
自分たちが享受した環境を汚したままにせず、次世代に清らかな状態で受け渡す責任を思い起こさせます。 - 依正不二(えしょうふに):
主体である人間(正報)と、それを取り巻く環境(依報)は一体であり、切り離すことができないという仏教の教え。
環境が破壊されれば人間もまた生きられないという、エコロジーの本質を突いた表現です。 - 温故知新(おんこちしん):
昔の事柄を研究し、そこから新しい知識や見解を得ること。
現代の環境問題や社会課題を解決するために、先人たちが自然と調和して生きてきた知恵から学ぶ姿勢を表します。
未来への責任と行動
長期的な視点を持ち、持続可能な社会基盤を築くための教訓です。
- 塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる):
ごくわずかなものでも、積み重なれば大きなものになるということ。
一人ひとりの節電やゴミの削減といった小さな行動が、環境を守る大きな変化へとつながる希望の言葉です。 - 急がば回れ(いそがばまわれ):
急ぐときほど、危険な近道よりも安全で確実な遠回りを選ぶほうが結局は早いということ。
目先の利益や効率だけを追い求めず、長期的な持続可能性を優先する判断の重要性を教えてくれます。 - 備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし):
普段から準備を怠らなければ、いざというときに心配がないということ。
気候変動に伴う自然災害への対策や、強靭な社会インフラを構築する必要性を説いています。 - 窮すれば通ず(きゅうすればつうず):
最悪の事態に陥って行き詰まると、かえって活路が開けるということ。
既存のシステムが限界を迎えた困難な状況においてこそ、新たなイノベーションによって道が開けるという励ましでもあります。 - 千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから):
どんなに大きな事業でも、まずは手近な一歩から始まるということ。
未来に向けた壮大な目標も、今日の私たちの小さな選択と行動から始まります。
まとめ
国際的な目標として掲げられているSDGsの理念は、私たちが古くから大切にしてきた言葉と、思いのほか深いところで重なり合っています。
「もったいない」という心や「足るを知る」という節度、「三方よし」に代表される社会への配慮。
新しい言葉で語られる課題の多くは、先人たちがとっくに気づいていたことなのかもしれません。








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