意味
「治に居て乱を忘れず(ちにいてらんをわすれず)」とは、世の中が平和なときにも、戦乱の時のことを忘れずに備えておくという意味です。
何も起きていない時期だからこそ、いざという時の準備を怠らない、という心構えを言います。
- 治(ち):世の中がよく治まって平和なこと。
- 乱(らん):戦乱。世の中が乱れること。
語源・由来
この言葉は、古代中国の易経(= 占いの書で、儒教の経典の一つ)の繋辞下伝(= 易経の解説の一編)にある、次の一節が由来です。
是故君子安而不忘危,存而不忘亡,治而不忘亂,是以身安而國家可保也。
(それゆえ君子は、安らかなときにも危うさを忘れず、無事に存続しているときにも滅びることを忘れず、治まっているときにも乱れることを忘れない。だから身は安らかで、国家を保つことができるのである。)
このうちの「治而不忘亂」がもとになっています。
使い方・例文
- 戦争のない時代が長く続いても、治に居て乱を忘れずの心構えは大切だ。
- 業績が好調な今こそ、治に居て乱を忘れずで不況に備えておこう。
- 祖父は治に居て乱を忘れずと言って、非常時の蓄えを欠かさなかった。
類義語・関連語
どれも、困ったことが起こる前から準備や用心をしておくことを言います。
「治に居て乱を忘れず」と類義語の違い
三つとも前もって備えることを勧める言葉です。
「治に居て乱を忘れず」は、太平の世と戦乱を対にした言い方で、平穏な時期にこそ乱れに備えることを言います。
「備えあれば憂いなし」は準備をしておけば心配がないという結果のほうを言い、「転ばぬ先の杖」は失敗する前の用心を言います。

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