意味
「袂を分かつ(たもとをわかつ)」とは、それまで行動を共にしてきた人と別れるという意味です。
仲間や協力相手との関係を断つ、という意味でも使います。
- 袂(たもと):和服の袖の下の、袋のように垂れた部分。
語源・由来
この言葉は、袂を「分かつ」(= 分ける)という組み立てです。
袂は和服の袖付けから下の、袋のように垂れた部分で、「手本」の意から出た語とされます。
使い方・例文
別れる相手は「〜と」で示します。
- 方針の違いから、創業メンバーの一人が会社と袂を分かつことになった。
- A社は提携を解消し、十年来の取引先と袂を分かった。
- 長年支え合ってきた共同代表と袂を分かち、彼は新しい団体を立ち上げた。
小説での使用例
森鴎外の小説『うたかたの記』には、画家の巨勢が友人のエキステルと夜道を帰る場面に、次の一文があります。
巨勢が「ホテル」の前にて、二人は袂を分ちぬ。
(巨勢のホテルの前で、二人は別れた。)
ここでは関係を断つのではなく、ただ人と別れるという意味で使われています。
「分ち」は「分かち」の古い送りがなです。
類義語・関連語
人との関係を断つという意味で、次の語が近い意味です。
- 手を切る(てをきる):
関係を絶つこと。多く、悪い関係や男女の関係を断ち切る場合に。
「袂を分かつ」と「手を切る」の違い
どちらも関係を断つという意味で、人と離れる場面で使えます。
違いは、「袂を分かつ」が行動を共にしてきた仲間と別れることをいうのに対し、「手を切る」は多く悪い関係や男女の関係を断ち切るときにいう点です。
対義語
- 袂を連ねる(たもとをつらねる):
人と行動を共にすること。

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