ことわざ 慣用句

立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花

(たてばしゃくやくすわればぼたんあるくすがたはゆりのはな)

女性の容姿や動作が、どの瞬間も極めて優雅で美しいことの例え。

短縮形:立てば芍薬

27文字の言葉 / 「た・だ」から始まる言葉
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花 ことば
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意味

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花(たてばしゃくやくすわればぼたんあるくすがたはゆりのはな)」とは、女性の容姿や立ち居振る舞いが、非常に優雅で美しいことを例えた言葉です。

それぞれの花が最も美しく見える状態を、人の姿勢や動きに例えています。

  • 芍薬(しゃくやく):すらりと伸びた茎の先に花を咲かせるため、立っている姿。
  • 牡丹(ぼたん):横に枝を広げて重厚な花を咲かせるため、座っている姿。
  • 百合(ゆり):風を受けてしなやかに揺れるため、歩く姿。

語源・由来

芍薬・牡丹・百合

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の由来には、植物の姿に由来する説のほか、漢方の処方に見立てた説もよく知られています。
ただし言葉そのものは、江戸時代の流行り唄から出た表現です。

植物学的な視点では、芍薬は枝分かれせずに真っ直ぐ伸びるため「立姿」、牡丹は枝分かれして低い位置で横に広がるため「座姿」、百合は細い茎の先で花が風に揺れるため「歩姿」に例えられました。

俗説として、「生薬の使い分け」の覚え歌に見立てて解釈されることもあります。

  • 腹痛などで気が立っている(イライラしている)女性には、筋肉の緊張を解く「芍薬」を。
  • 血の巡りが悪く座り込んでしまう女性には、血行を良くする「牡丹皮」を。
  • 心身が衰弱し、ふらふらと歩く女性には、精神を安定させる「百合(びゃくごう)」を。

もっとも、この言葉は生薬の覚え歌として生まれたものではなく、漢方の読み方は流行り唄の文句に生薬を当てはめた解釈です。

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使い方・例文

現代では、和服を召した方の着こなしや、所作が美しい人への最大級の褒め言葉として用いられます。
単に「美人」と言うよりも、その人の持つ雰囲気や気品を丸ごと肯定するニュアンスが含まれます。

例文

  • 舞台に立った彼女は、まさに立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花だ。
  • 祖母は背筋が伸び、まさに立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花の人だった。
  • 目指すのは立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花のような立ち姿だ。

類義語・関連語

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 沈魚落雁(ちんぎょらくがん):
    あまりの美しさに、魚は泳ぐのを忘れて沈み、雁は空から落ちてしまうほどの絶世の美人。
  • 閉月羞花(へいげつしゅうか):
    月が恥じて雲に隠れ、花も恥じらってしぼんでしまうほどの美しさ。
  • 国色天香(こくしょくてんこう):
    国で一番の色(美しさ)と、天下一の香りを持つこと。主に牡丹の花や、絶世の美人の形容。

神戸節で唄われた立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は、「立てば芍薬/座れば牡丹/歩く姿は/百合の花」と七・七・七・五の音に分かれます。
これは都々逸どどいつと同じ形ですが、都々逸が成立するのはこの言葉より後の時代です。
江戸時代には、神戸節ごうどぶしなどの流行り唄で実際に唄われていました。

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