四字熟語 故事成語

生殺与奪

(せいさつよだつ)

相手を生かすも殺すも、与えるも奪うも、すべて思いのままにすること。


7文字の言葉せ・ぜ」から始まる言葉
生殺与奪 ことば
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意味

「生殺与奪」とは、相手の生死や利害のすべてを、意のままに操れる強大な権力を指す言葉です。
多くは「生殺与奪の権を握る」という形で使われ、絶対的な支配力や、それに対する恐れを伴って語られます。

  • 生殺(せいさつ):生かすことと、殺すこと。
  • 与奪(よだつ):与えることと、奪うこと。

語源・由来

「生殺与奪」は、中国戦国時代の思想家・韓非かんぴがまとめた『韓非子』の「二柄(にへい)」篇に由来するとされています。
この篇では、君主が家臣を統制するための力は、罰を与える権限と褒美を与える権限の二つに集約されると説かれています。
相手の生死や利害を握ることこそが支配の要であるというこの思想から、「生殺与奪」という四字熟語が生まれたという説があります。

使い方・例文

「生殺与奪」は、他者の運命を完全に支配できる強大な力や立場を語る場面で使われます。

  • 独裁者は民衆の生殺与奪の権を握っていた。
  • 上司に生殺与奪の権を握られているようで息苦しい。
  • 契約社会では、取引先が生殺与奪を左右することもある。

英語表現

have someone’s fate in one’s hands

相手の運命を完全に握っているという、強い支配力を表す表現

The judge had the prisoner’s fate in his hands.
(裁判官は囚人の生殺与奪を握っていた。)

power of life and death

相手を生かすも殺すも自由にできるという、絶対的な権力を表す慣用句

The ancient king held the power of life and death over his subjects.
(古代の王は臣下に対して生殺与奪の権を持っていた。)

法家思想が説いた、「アメとムチ」の起源

『韓非子』を代表とする法家思想は、君主が国を治めるうえで頼るべきは道徳や情ではなく、明確な賞罰の制度だと説きました。
罰を与える力と褒美を与える力さえ手放さなければ、家臣は君主に逆らえないという冷徹な統治論がその根底にあります。
この考え方は、後の中国の官僚制度や法制度にも影響を与え、賞罰によって組織を統制するという発想は「アメとムチ」という表現で現代にも受け継がれています。
「生殺与奪」という言葉には、二千年以上前に体系化された、権力の本質をめぐる思想の痕跡が残されています。

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