慣用句

籠の鳥を放つ

(かごのとりをはなつ)

束縛されて自由を奪われていた人や物事を、解放してやること。


9文字の言葉か・が」から始まる言葉
籠の鳥を放つ ことば
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意味

籠の鳥を放つとは、それまで自由を奪われ、囲われていた人や物事を解き放ってやることを意味します。
単に自由にするだけでなく、それまで不自由な境遇に置かれていた対象を気遣い、あえて手放してやるという温かみのある響きを持ちます。

  • (かご):竹や金属で編んだ、鳥や虫を飼うための入れ物。
  • (とり):ここでは籠の中に飼われている小鳥。
  • 放つ(はなつ):捕らえていたものを自由にすること。

語源・由来

「籠の鳥を放つ」は、自由を奪われている境遇のたとえとして古くから使われてきた「籠の鳥かごのとり」という言葉に、「放つ」という動詞を添えた表現です。
「籠の鳥」は、籠に閉じ込められて飛び立てない鳥の姿から、身の自由が利かない人や境遇をたとえる言葉として、古くから使われてきました。
そこに「放つ」を加えることで、束縛されていた状態から一転して自由を与える、その行為そのものを表す言い回しとして使われるようになりました。
なお、これと対をなす表現として、籠の中の鳥が大空の雲を恋しく思うように自由を渇望することを表す「籠鳥雲を恋うろうちょうくもをこう」という故事成語も知られています。

使い方・例文

長く不自由な状況に置かれていた人や物事を解放する場面で使われます。

  • 定年退職を迎えた日は、まさに籠の鳥を放つような気分だった。
  • 厳しい校則が緩和され、生徒たちは籠の鳥を放たれたようだった。
  • 長期入院していた愛犬を、ようやく籠の鳥を放つように外に連れ出せた。

類義語・関連語

  • 手綱を緩める(たづなをゆるめる):
    厳しく管理・統制していたものを、少し自由にすること。
  • 羽を伸ばす(はねをのばす):
    束縛から解放されて、自由にのびのびと過ごすこと。

対義語

  • 手綱を締める(たづなをしめる):
    気持ちや行動の緩みを引き締め、統制を強めること。

英語表現

set free

「自由にする、解き放つ」という意味の表現で、鳥や動物を檻から出す場面から、人を束縛から解放する場面まで幅広く使える表現で、「籠の鳥を放つ」に近いニュアンスです。

After years of strict rules, the new manager finally set the team free.
(長年の厳しい規則の後、新しいマネージャーはようやくチームを籠の鳥を放つように解放した。)

生き物を放つ「放生会」という文化

日本には、捕らえた鳥や魚を池や野に放ち、殺生を戒めて功徳を積むとされる「放生会ほうじょうえ」という仏教行事が、奈良時代から各地の寺社で営まれてきたとされています。
籠の鳥を大空に放つ光景は、この放生会の中心的な場面のひとつでもあります。
「籠の鳥を放つ」という言葉が持つ、束縛からの解放という意味の奥には、こうして生き物を自由にする行為を尊いものとみなしてきた、日本人の宗教観や自然観が重なっているのかもしれません。

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