夜を以て日に継ぐ

「夜を以て日に継ぐ」の文字を配した辞書見出し風のサムネイル画像 個別解説
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納期が迫るほどに、時計の針の存在すら気にならなくなる夜がある。
昼夜の境目を忘れるほど休みなく物事に打ち込む様子を表すのが、「夜を以て日に継ぐ」(よをもってひにつぐ)です。

意味

夜を以て日に継ぐとは、夜の時間を昼の時間につなぎ合わせるように、休むことなく物事に取り組むことという意味です。
単なる夜更かしではなく、目的のために昼夜の区別なく没頭する様子を表します。

  • 夜を以て(よをもって):夜の時間を用いて。
  • 日に継ぐ(ひにつぐ):昼の時間につなげること。

語源・由来

この言葉は、中国の思想家・孟子の言葉をまとめた『孟子』離婁下篇に由来するとされています。
周公(しゅうこう)が、夏・殷・周の歴代の王たちの優れた政治を手本にしようと、その内容を思案しても腑に落ちない点があると、夜を徹して考え続けたと伝えられています。
そして朝を迎えると、そのまま休むことなく政務に当たったという故事から、昼夜を分かたず物事に打ち込む姿を指すようになった、という説があります。

使い方・例文

「夜を以て日に継ぐ」は、仕事や研究などに寝る間も惜しんで打ち込む場面で使われます。

  • 締め切り前は夜を以て日に継ぐ勢いで原稿に向かった。
  • 論文の完成に向け、夜を以て日に継ぎ机に向かい続けた。
  • 被災地の復旧作業は夜を以て日に継ぐ体制で進められた。

類義語・関連語

「夜を以て日に継ぐ」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 不眠不休(ふみんふきゅう):
    眠らず休まず、物事に取り組み続けること。

英語表現

「夜を以て日に継ぐ」を英語で表現する場合、以下の定型表現が使われます。

burn the midnight oil

夜遅くまで作業に打ち込むことを表す、英語の定番表現です。

  • 例文:
    We burned the midnight oil to finish the project.
    (私たちはプロジェクトを終えるため、夜を以て日に継いで働いた。)

儒教が説いた為政者の理想像

由来となった周公は、儒教において理想の政治家として長く尊敬されてきた人物です。
『孟子』がこの逸話を伝えたのも、為政者たるもの寝食を忘れて民のために思案すべきだという儒教的な価値観を示すためでした。
現代では働き方の見直しが進む一方、目的に没頭する集中力そのものは、今も昔も変わらず高い評価を受ける資質といえるでしょう。

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