追い詰められているのに、なかなか非を認めようとしない人がいます。
そうしたあきらめの悪い態度を指すのが、
「往生際が悪い」(おうじょうぎわがわるい)です。
意味
往生際が悪いとは、追い詰められた状況になっても、なかなか非を認めず、あきらめようとしないことという意味です。
もともとは死に際の態度を表す仏教語でしたが、現在では日常的なあきらめの悪さ全般を指す言葉として使われています。
- 往生(おうじょう):死ぬこと。または、あきらめること。
- 際(ぎわ):まさにその時、境目。
語源・由来
「往生」はもともと仏教語で、この世を去って浄土に生まれ変わることを意味します。
仏教では、安らかに臨終を迎える人を「見事な大往生」とたたえる一方で、
死を目前にしても信心を持てず、心穏やかに逝けない人の様子を「往生際が悪い」と表現しました。
この「死に際の往生際が悪い」という仏教的な意味が転じて、現代では負けや非を認められない態度全般を指すようになったといわれています。
使い方・例文
「往生際が悪い」は、負けや失敗を認めずに粘る相手を批判する際に使われます。
- 証拠を突きつけられても認めないなんて、往生際が悪いな。
- 試合に負けたのに言い訳ばかりで、往生際が悪い選手だ。
- いつまでも別れを受け入れない彼は、往生際が悪かった。
類義語・関連語
「往生際が悪い」とよく似た言葉に「諦めが悪い」がありますが、ニュアンスにはやや違いがあります。
| 往生際が悪い | 諦めが悪い | |
|---|---|---|
| 状況の切迫度 | 進退窮まり、後がない土壇場 | 切迫していない場面でも使える |
| 由来 | 仏教語「往生」(死に際)に由来 | 特定の由来となる宗教語はない |
| 主な用法 | 負けや非を認めない態度を強く非難 | 単なる粘り強さやしつこさも指す |
対義語
「往生際が悪い」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 往生際がいい(おうじょうぎわがいい):
あきらめるべき時に、潔くあきらめられること。 - 潔い(いさぎよい):
未練を見せず、すっきりとした態度をとること。
英語表現
「往生際が悪い」を英語で表現する場合、以下の表現が近いニュアンスを持ちます。
a sore loser
「負けを素直に認められない人」という意味の英語表現です。
- 例文:
Stop making excuses, don’t be a sore loser.
言い訳はやめて、往生際が悪いのはよそう。
refuse to accept defeat
「負けを認めようとしない」という言い回しです。
- 例文:
He refused to accept defeat even after the final whistle.
彼は試合終了の笛が鳴っても、往生際が悪く負けを認めなかった。
「往生際の悪さ」の裏にある、サンクコスト効果
往生際の悪さは、単なる性格の問題だけでなく、心理学の「サンクコスト効果」で説明できる場合があります。
これは、それまでに費やした時間やお金、労力が惜しくなり、すでに失敗が明らかな状況でも撤退できなくなる心理現象です。
負けを認めれば、それまでの努力が無駄になってしまうという恐れが、往生際の悪い態度を生み出しているのです。
「往生際が悪い」と一言で片付けられがちな行動の裏には、誰もが陥りうる合理的な判断の歪みが隠れているといえるでしょう。









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