仏教が由来の日常語一覧|有頂天・四苦八苦・醍醐味など60語

仏教が由来の日常語一覧 特集
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因果応報や有頂天、四苦八苦など、普段何気なく使っている言葉の中には、実は仏教の教えや経典から生まれたものが数多くあります。
教義としての堅苦しさが消え、すっかり日常語として定着した言葉を、由来のテーマごとに分類してまとめました。

人とのつながりを表す言葉

  • 会うは別れの始め(あうはわかれのはじめ):
    出会った者は必ず別れるという「会者定離」を言い換えた言葉。
    人との別れを惜しむ場面で使う。
  • 袖振り合うも多生の縁(そでふりあうもたしょうのえん):
    輪廻転生の考えから、些細な出会いも前世からの因縁とみなす言葉。
  • 以心伝心(いしんでんしん):
    禅で、悟りが師から弟子へ言葉によらず心から心へ伝わるとされたこと。
    言葉なしに気持ちが通じ合う様子。
  • 阿吽の呼吸(あうんのこきゅう):
    万物の始まりと終わりを表す梵字「阿」と「吽」から。
    息の合った絶妙なタイミングのこと。
  • 和顔愛語(わげんあいご):
    仏典に説かれた、穏やかな顔と優しい言葉で人に接する菩薩の態度。
    人当たりの良い接し方のたとえ。
  • 合縁奇縁(あいえんきえん):
    「愛縁機縁」という仏教語から出たとする説がある言葉。
    人と人との気心が合うも合わないも、不思議な因縁によるということ。
  • 一蓮托生(いちれんたくしょう):
    死後、極楽浄土の同じ蓮華の上に生まれることをいう仏教語から。
    結果はどうなろうと、行動や運命を共にすること。
  • 老婆心(ろうばしん):
    老婆が子や孫をいつくしむように、師が弟子をいつくしみ導く親身な心遣いをいう仏教語から。
    必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちを、へりくだっていう言葉。
  • 冥利に尽きる(みょうりにつきる):
    神仏が人知れず与える恩恵「冥利」から。
    立場や役割ゆえに得られる最高の喜びのこと。
  • 二枚舌を使う(にまいじたをつかう):
    仏教で戒める十悪の一つ「両舌」の言い換え。
    話す相手によって矛盾したことを言うこと。

心と向き合う教えから生まれた言葉

  • 一心不乱(いっしんふらん):
    『阿弥陀経』に見える言葉で、もとは雑念を捨て、心を一つにして仏に帰依することをいう仏教語。
    一つのことに心を集中して、ほかのことに気を取られないこと。
  • 無我夢中(むがむちゅう):
    「無我」は、もとは自分への執着を離れた状態をいう仏教語。
    我を忘れるほど何かに没頭すること。
  • 一念発起(いちねんほっき):
    今までの心を翻して悟りを開こうと発心することをいう仏教語「一念発起菩提心」の略。
    それまでの考えを改めて、ある事を成し遂げようと決心すること。
  • 意馬心猿(いばしんえん):
    制御しがたい心を、暴れる馬と騒ぐ猿にたとえた教え。
    煩悩に振り回されて落ち着かない様子。
  • 慧眼(けいがん):
    仏や菩薩が備える五つの認識力「五眼」の一つ。
    物事の本質を鋭く見抜く力のこと。
  • 我利我利(がりがり):
    自分の利益だけを求める心「我利」を重ねた言葉。
    他人を顧みない強欲な態度のこと。
  • 慙愧に堪えない(ざんきにたえない):
    仏教語「慙愧」から。「慙」はみずから恥じること、「愧」はそれを人に向かって表すこと。自分の過ちを深く反省し、恥じ入る気持ちのこと。
  • 魔が差す(まがさす):
    善行を妨げる悪神「魔羅」が心に入り込むという発想から。
    ふと悪いことをしてしまうこと。
  • 無二無三(むにむさん):
    法華経の「仏となる道はただ一つ」という教えの言い換え。
    わき目もふらず一途になること。
  • 割愛する(かつあいする):
    もとは、愛着の気持ちを断ち切り、恩愛や煩悩を捨て去ることをいう言葉。
    惜しいと思うものを、思いきって手放すこと。

因果と運命を説く言葉

  • 果報は寝て待て(かほうはねてまて):
    「果報」は、前世の行いが原因となって受ける報いをいう仏教語。
    幸運は人の力では招き寄せられないから、焦らずに時機を待てということ。
  • 未来永劫(みらいえいごう):
    仏教の宇宙観で計り知れない時間の単位「劫」に由来。
    これから先ずっと続く長い時間のこと。
  • 一粒万倍(いちりゅうまんばい):
    『報恩経』に見える、一粒の種が万倍にもなって実るという言葉から。もとは仏教で、一つの善行から多くの報いを得るという意味。わずかなものから、非常に大きな利益が生まれることのたとえ。
  • 有為転変(ういてんぺん):
    原因と条件で仮に生じたものは移り変わるという仏教の世界観。
    物事が絶えず変化すること。
  • 羊の歩み(ひつじのあゆみ):
    屠殺場へ引かれる羊の比喩とされる経典の一節。
    逃れようのない運命へ向かう歩みのこと。
  • 屠所の羊(としょのひつじ):
    羊の歩みと同じ経典の比喩から。死や不幸が刻一刻と迫っていることのたとえ。現在では、比喩として使うと差別的な表現になるとされる。
  • 冥土の土産(めいどのみやげ):
    死者の魂が向かう「冥土」へ持っていく土産という発想から。
    死ぬ間際に叶った嬉しい出来事のこと。
  • 往生際が悪い(おうじょうぎわがわるい):
    「往生際」は死に際のこと。
    追いつめられても、負けや非を素直に認めようとしない態度のこと。
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この世のはかなさを説く言葉

  • 後生大事(ごしょうだいじ):
    来世の安楽を最も大切にし、信心を忘れないことをいう仏教語から。
    物事をとても大切にすること。
  • 日常茶飯事(にちじょうさはんじ):
    毎日の食事の意の「日常茶飯」から。毎日のありふれた出来事のこと。同じ意味の「家常茶飯」は、禅宗の書『五灯会元ごとうえげん』にも見える言葉。
  • 未曾有(みぞう):
    梵語を訳した仏教語で、「いまだかつて有らず」の意。
    今までに一度もなかった、非常に珍しいこと。
  • 日々是好日(ひびこれこうじつ):
    禅僧・雲門文偃うんもんぶんえんの言葉。
    あらゆる出来事を評価せずありのまま受け取る境地のこと。
  • 有頂天(うちょうてん):
    仏教の世界観で最も高い領域を指す言葉。
    喜びのあまり我を忘れ得意の絶頂にいる状態。
  • 泡沫夢幻(ほうまつむげん):
    水の泡と、夢と、まぼろし。
    はかなく消えやすいもののたとえ。
  • 夢幻泡影(むげんほうよう):
    『金剛経』に見える仏教語で、夢と幻と泡と影のこと。
    人生のはかないこと、実体のないもののたとえ。

苦しみや戒めを説く言葉

  • 獅子身中の虫(しししんちゅうのむし):
    仏の教えを内部から破壊する者を体内の虫にたとえた経典の教え。
    内部から害をなす者のこと。
  • 四苦八苦(しくはっく):
    釈迦が説いた、思い通りにならない根本の苦しみ「四苦」に四つを加えた教え。
    非常に苦労すること。
  • 阿鼻叫喚(あびきょうかん):
    仏教の八大地獄「阿鼻地獄」と「叫喚地獄」を組み合わせた言葉。
    むごたらしい状況で人々が泣き叫ぶ様子。
  • 金輪際(こんりんざい):
    仏教の宇宙観で大地の最下層を指す言葉。
    「絶対に」という強い打ち消しを表す言葉になった。
  • 修羅場(しゅらば):
    阿修羅が帝釈天と争う場所をいう仏教語から。
    血みどろの激しい戦いや争いが行われる場所のこと。
  • 火の車(ひのくるま):
    生前の罪人を炎の車で地獄へ運ぶという教えから。
    家計や経営の資金繰りが苦しい状態のこと。
  • 指をさして月を見ず(ゆびをさしてつきをみず):
    教えを示す言葉に執着し肝心の真理を見失う人を説いた経典の教え。
    手段にとらわれ本質を見失うこと。
  • 七難八苦(しちなんはっく):
    経典が説く七つの災い「七難」と、四苦に四つを加えた「八苦」。
    さまざまな苦難が幾重にも重なること。
  • 狂言綺語(きょうげんきご):
    仏教で戒める、飾り立てた言葉「綺語」から。道理に合わない言葉と、巧みに飾った言葉。仏教や儒教の立場から、小説や物語の類をいやしめていう言葉。

壮大なスケールをたとえた言葉

  • 七珍万宝(しっちんまんぽう):
    極楽浄土を飾るとされた七つの宝「七珍」から。
    数えきれないほど貴重な宝物のこと。
  • 言語道断(ごんごどうだん):
    仏教の深遠な真理は言葉で言い表せないという教え。
    もってのほかであることのたとえ。
  • 唯我独尊(ゆいがどくそん):
    釈迦が誕生の際に唱えたと伝わる「天上天下唯我独尊」から。
    自分だけが優れていると自負する態度。
  • 八面六臂(はちめんろっぴ):
    仏像などが八つの顔と六つの腕を持つことから。
    一人で何人分もの働きをすること。
  • 醍醐味(だいごみ):
    乳製品を精製する五段階の最上位「醍醐」に仏の教えをたとえた経典から。
    物事の本当の面白さのこと。
  • 無尽蔵(むじんぞう):
    尽きることのない功徳を財宝にたとえた経典の言葉。
    いくら取っても尽きることがないもののたとえ。
  • 桜梅桃李(おうばいとうり):
    それぞれの草木が本来の性質のまま悟りを開くという教え。
    各々が個性を磨き自分らしく輝くこと。
  • 三面六臂(さんめんろっぴ):
    仏像などが一体で三つの顔と六つの腕を備えていることから。
    一人で何人分もの働きをすること。
  • 百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう):
    百尺もある竿の先端のこと。到達できる極点、向上しうる極致のたとえ。
    「百尺竿頭一歩を進める」の形で、到達した極点からさらに一歩進めるという意味になる。
  • 一切合切(いっさいがっさい):
    同じ意味の「一切」と「合切」を重ねて、意味を強めた言葉。
    何もかも残らずすべてのこと。
  • 有象無象(うぞうむぞう):
    形あるものとないもの、この世のすべてを表した仏教語「有相無相」から。
    取るに足らない人や物の集まりのこと。

暮らしに溶け込んだ考え方

  • 単刀直入(たんとうちょくにゅう):
    ただ一人で刀を執り、敵陣に切り込む意から。禅宗の書『景徳伝灯録けいとくでんとうろく』に見える言葉。前置きを抜きにして、ただちに本題に入ること。
  • 不即不離(ふそくふり):
    『円覚経えんがくきょう』に見える言葉。
    二つのものが強く結びつきもせず、離れもしない関係にあること。
  • 無病息災(むびょうそくさい):
    災難を鎮める仏教用語「息災」と「無病」が結びついた言葉。
    病気や災難がなく健康であること。
  • 融通無碍(ゆうずうむげ):
    滞りなく通じて、妨げのない意から。
    考え方や行動が何ものにもとらわれず、自由でのびのびしていること。
  • 三日坊主(みっかぼうず):
    出家しても修行の厳しさに耐えられず俗世へ戻った人々の姿から。
    飽きっぽく長続きしないこと。
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