意味
「米を数えて炊ぐ(こめをかぞえてかしぐ)」とは、炊く米の一粒まで数えるほどに、些細なことに度を越してこだわり、ひどくけちけちとふるまうという意味です。
細部にとらわれるあまり、かえって大きな成果を逃してしまう、やや否定的なニュアンスを持つ言葉として使われます。
- 米を数えて(こめをかぞえて):米粒を一粒ずつ数える様子。
- 炊ぐ(かしぐ):米を炊いてご飯にすること。
語源・由来
「米を数えて炊ぐ」は、中国の古典『荘子』庚桑楚篇の「数米而炊(米を数えて炊ぐ)」に由来することわざです。
本来、米を炊く際にいちいち粒数を数える必要はなく、そんなことをしても味や炊き上がりが良くなるわけではありません。
むしろ数える手間そのものが無駄であるうえ、そこまで細かく気にする様子は、極端なけちや、小さなことにこだわって大局を見失う態度の象徴として語られるようになりました。
使い方・例文
「米を数えて炊ぐ」は、細かいことにこだわりすぎて本質を見失う様子を表す際に使われます。
- 経費の端数にこだわる姿は、まるで米を数えて炊ぐようだ。
- 米を数えて炊ぐような節約より、収入を増やす工夫をすべきだ。
- 些細なミスばかり指摘するのは、米を数えて炊ぐに等しい。
類義語・関連語
「米を数えて炊ぐ」と同じように、細かいことにこだわりすぎる様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 木を見て森を見ず(きをみてもりをみず):
細部にとらわれて全体を見失うこと。
「米を数えて炊ぐ」と「木を見て森を見ず」の違い
どちらも視野の狭さを表しますが、焦点に違いがあります。
| 語句 | 焦点 |
|---|---|
| 米を数えて炊ぐ | 過度な物惜しみやけちな性分 |
| 木を見て森を見ず | 全体像を把握できない判断力の欠如 |
英語表現
penny wise and pound foolish
小さな金額を惜しんで、結果的に大きな損をすることを表す表現。
Skipping maintenance to save money is penny wise and pound foolish.
(節約のために整備を怠るのは米を数えて炊ぐようなものだ。)
「米を数えて炊ぐ」は『荘子』の「数米而炊」から
米を数えて炊ぐは、米を一粒ずつ数えてから炊くという、実際には意味のない細かすぎる行動を通じて、度を超えた几帳面さや、けちくさいほどの倹約ぶりを表すことわざです。
中国の古典『荘子』の「庚桑楚」篇には「簡髪而櫛、数米而炊」、髪を一本ずつ選り分けて梳き、米を一粒ずつ数えて炊ぐという一節があり、細かすぎる行いにとらわれて大局を見失うことを戒める文脈で使われています。
日本のことわざはこの言い回しと内容がほぼ一致しており、ここに由来すると考えられます。
米粒の数を数えたところで、炊き上がった飯の量や味が変わるわけではありません。
手間をかけること自体が目的になってしまっている滑稽さが、ことわざとして語り継がれてきた核心にあります。










コメント