四字熟語

暴虎馮河

(ぼうこひょうが)

血気にはやって、向こう見ずに無謀な行動をすることのたとえ。


7文字の言葉ほ・ぼ・ぽ」から始まる言葉
暴虎馮河 ことば
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意味

「暴虎馮河」は、素手で虎に立ち向かうことを意味する「暴虎」と、徒歩で黄河を渡ることを意味する「馮河」を組み合わせた四字熟語で、向こう見ずな蛮勇をふるうことを表します。
血気にはやるあまり、危険や成算を顧みない無謀さを非難する意味合いで使われます。

  • 暴虎(ぼうこ):素手で虎に立ち向かうこと。
  • 馮河(ひょうが):徒歩で黄河を渡ること。

語源・由来

「暴虎馮河」は、中国の古典『論語』の述而篇に登場する言葉です。
弟子の子路が、大軍を率いるなら誰と行動をともにするかと孔子に尋ねたところ、孔子は、虎に素手で立ち向かい、黄河を歩いて渡るような、死んでも悔いのないほど無謀な人物とは行動しないと答えました。
そのうえで、事に臨んで慎重に構え、よく計略を立てて物事を成し遂げる人物とともに歩みたいと述べており、危険を前にしてもなお恐れを知らず突き進む態度をいましめたこの孔子の言葉が由来です。

使い方・例文

「暴虎馮河」は、向こう見ずで無謀な行動をとる人やその様子を戒める場面で使われます。

  • 十分な準備もないまま単身で乗り込むとは、暴虎馮河の勇としか言いようがない。
  • 入念な市場調査もせずに巨額を投じるのは、暴虎馮河というものだ。

類義語・関連語

「暴虎馮河」と同じように、向こう見ずな行動を表す言葉には、次のようなものがあります。

  • 猪突猛進(ちょとつもうしん):
    一つの目的に向かって、後先を考えずに突き進むこと。
  • 無鉄砲(むてっぽう):
    結果を考えず、後先を顧みずに行動すること。

「暴虎馮河」と類義語の違い

三つとも向こう見ずな行動を表しますが、力点が異なります。「暴虎馮河」は危険を顧みない血気の勇そのものを、「猪突猛進」は目的に向かって突き進む一途さを、「無鉄砲」は先のことを考えない軽率さを指します。

語句力点ニュアンス
暴虎馮河
(ぼうこひょうが)
危険を顧みない蛮勇血気にはやる無謀さ
猪突猛進
(ちょとつもうしん)
目的への一途さ後先を考えない突進
無鉄砲
(むてっぽう)
先を考えない軽率さ結果を顧みない行動

対義語

「暴虎馮河」とは正反対に、用心深く物事を進める態度を表すことわざがあります。

  • 石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる):
    頑丈な石の橋でも叩いて安全を確かめてから渡るほど、用心深く行動すること。

英語表現

fools rush in

向こう見ずな人ほど、危険を顧みず突き進んでしまうという言い方。

As they say, fools rush in where angels fear to tread.
(暴虎馮河というように、向こう見ずな者ほど恐れずに突き進んでしまうものだ。)

throw caution to the wind

用心深さをかなぐり捨てて、無謀な行動に出る言い方。

He threw caution to the wind and invested his entire savings in the venture.
(彼は暴虎馮河とばかりに、全財産をその事業につぎ込んだ。)

孔子が子路に告げた、勇ましさへの不合格通知

「暴虎馮河」は、『論語』述而じゅつじ篇に見える孔子の言葉が出典です。
弟子の子路が問いを向けたのに対し、孔子は「虎に素手で立ち向かい、黄河を歩いて渡ろうとして、死んでも後悔しないような者とは、私は行動を共にしない」と答えました。

血気にはやるだけの勇気を退けたうえで、孔子は「事に臨んで慎重に構え、計略を練って物事を成し遂げる者とこそ共に行動する」と続けています。
無謀さを戒め、慎重さを備えた勇気を評価する対比が、この言葉の出発点になっています。

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