意味
「目頭が熱くなる(めがしらがあつくなる)」とは、深く心を打たれて、思わず涙がこみ上げそうになるというたとえです。
深い悲しみよりも、感謝や感激など、心が強く揺さぶられる場面で使われることが多い言い方です。
- 目頭(めがしら):目の、鼻に近い側の端の部分。
語源・由来
「目頭が熱くなる」は、感情が高ぶって涙があふれそうになる直前に感じる、目頭のじんわりとした熱をそのまま言葉にした表現です。
涙という結果ではなく、涙が出る一歩手前の体の感覚に注目して作られた、素朴な言い回しといえます。
使い方・例文
「目頭が熱くなる」は、感動的な場面に出会って、涙がこみ上げそうになったときに使われます。
- 久しぶりに再会した恩師の笑顔に、思わず目頭が熱くなった。
- 卒業生代表の挨拶を聞いて、会場中の親たちの目頭が熱くなった。
類義語・関連語
「目頭が熱くなる」と同じように、感動で心が動いた状態を表す言葉に、次のようなものがあります。
- 涙ぐむ(なみだぐむ):
実際に目に涙が浮かんだ状態。 - 胸が熱くなる(むねがあつくなる):
感動や感謝で胸のあたりが熱く感じられる状態。
「目頭が熱くなる」と類義語の違い
三つとも感動を表しますが、「目頭が熱くなる」は涙が出る直前の段階、「涙ぐむ」は涙が実際に浮かんだ段階、「胸が熱くなる」は涙を伴うとは限らない感情の高ぶりを指す点が異なります。
| 語句 | 感情の段階 | 涙の有無 |
|---|---|---|
| 目頭が熱くなる (めがしらがあつくなる) | 感動が高まった瞬間 | 涙が出る直前 |
| 涙ぐむ (なみだぐむ) | さらに一段階進んだ状態 | 目に涙が浮かぶ |
| 胸が熱くなる (むねがあつくなる) | 感動・感謝の高まり | 涙を伴うとは限らない |
英語表現
well up
涙が今にもあふれそうになる様子を表す表現。
感情の高まりで涙腺がゆるむ瞬間を指すときに使われる。
Her eyes welled up as she watched her daughter walk across the stage.
(娘が壇上を歩く姿を見て、彼女の目に涙があふれそうになった。)
get a lump in your throat
感動して喉の奥が締めつけられるような感覚を表す表現。
涙をこらえているときの体の反応を指す。
I got a lump in my throat during the speech.
(そのスピーチを聞いて、思わず喉が詰まりそうになった。)
1943年の短歌に見える「目頭熱くなりて涙す」
「目頭が熱くなる」という言い回しの古い用例として辞書が挙げているのが、歌人・半田良平の歌集『幸木』(1948年刊)に収められた一首です。
「子の臨終静かなりきと聞くだにも目頭熱くなりて涙す」という歌で、詠まれたのは昭和18年(1943年)とされています。
わが子の死の知らせを聞いただけで涙ぐむ心情を、目頭の熱さという感覚で表しています。
「目頭」は目の、鼻に近いほうの端を指し、「目尻」と対になる言葉です。
そこが熱くなるという言い方で感情の高まりを婉曲に示す表現が、少なくとも昭和期にはすでに定着していたことがわかります。











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