意味
「玉に瑕」とは、優れた人や物にただ一つだけ見つかる、惜しい欠点を指す言葉です。
相手を厳しく責める響きはなく、「それさえなければ言うことがないのに」という愛惜や残念な気持ちを込めて使われます。
- 瑕(きず):宝石などの表面にできる、欠けや濁り。
語源・由来
「玉に瑕」は、美しく磨かれた宝石に、ごく小さな傷が一つだけ見つかったときの惜しさを言い表した比喩です。
価値の高い宝石ほど、ほんのわずかな傷でも際立って見えてしまうことから、優れた人や物にある小さな欠点を指す言い方として定着したとみられます。
使い方・例文
「玉に瑕」は、人や物を高く評価したうえで、唯一気になる欠点を惜しみながら指摘する場面で使われます。
- 仕事は完璧なのに、字が汚いのが玉に瑕だ。
- この店は味も接客も一流だが、駐車場が狭いのが玉に瑕である。
類義語・関連語
「玉に瑕」と同じように、優れたものにあるわずかな欠点を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 白璧の微瑕(はくへきのびか):
ほとんど完璧な人や物事にある、ほんのわずかな欠点。
「玉に瑕」と「白璧の微瑕」の違い
どちらも「惜しい欠点」を指す点は同じですが、言葉の格や使う場面が異なります。
「玉に瑕」は日常会話で広く使われる一般的な言い方であるのに対し、「白璧の微瑕」は故事にちなんだ由来を持つ、あらたまった場面向けの言い方です。
| 語句 | ニュアンス | 使用シーン |
|---|---|---|
| 玉に瑕 | 日常会話で広く使われる 一般的な表現 | 親しい人との会話、 日常的な出来事の評価 |
| 白璧の微瑕 | 故事成語としての由来を 持つ格調高い表現 | 改まった文章、スピーチ、 文芸作品の批評など |
対義語
「玉に瑕」と反対に、欠点が全くなく完璧である様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 非の打ち所がない(ひのうちどころがない):
欠点が全くなく、完璧である様子。
英語表現
a fly in the ointment
直訳は「軟膏の中の一匹のハエ」。素晴らしいものを台無しにする、わずらわしい欠点を指す表現。
His work is excellent, but sloppy handwriting is the fly in the ointment.
(彼の仕事は素晴らしいが、雑な字が玉に瑕だ。)
なぜ「傷」ではなく「瑕」と書くのか
「玉に瑕」の「きず」には、日常でよく使う「傷」ではなく「瑕」という字が使われます。
「傷」は刃物や打撲などで肌にできる実際のケガを指す字であるのに対し、「瑕」は宝石の表面にできる欠けや濁りだけを指す、対象の限られた字です。
読みが同じ「きず」であるため、「玉に傷」と書かれる例が広く見られますが、これは正式な表記ではありません。
常用漢字ではない「瑕」の字が、この言葉の中にだけ生き残っている形です。









コメント