意味
「街談巷説(がいだんこうせつ)」は、街中や世間で人々の間に広まる、根拠のはっきりしない噂話や俗説を指す四字熟語です。
特定の誰かを名指しで批判する言葉ではなく、真偽の定かでない話が人づてに広がっていく現象そのものを、やや距離を置いた視点で表す言い方です。
- 街談(がいだん):街のうわさ、世間の噂。
- 巷説(こうせつ):ちまたの噂、世間の噂。
語源・由来
「街談巷説」は、中国三国時代の文人・曹植が友人の楊徳祖に宛てた手紙「与楊徳祖書」に「夫れ街談巷説も、必ず采るべき有り(街の噂話にも、必ず参考にすべきものがある)」という一節があり、ここから生まれた四字熟語とみられます。
日本でも、鎌倉時代の説話集『十訓抄』に「街談巷説のなかにもかならずとるべき事ありといへり」と、ほぼ同じ言い回しで登場します。「街談」も「巷説」も、ともに街や世間のうわさを表す言葉で、同じ意味の言葉を重ねることで意味を強めています。
使い方・例文
「街談巷説」は、根拠不明の噂や俗説であることを示しながら、話題として取り上げる際に使われます。
- その事件については、街談巷説の域を出ない情報しかまだない。
- 選挙前は、真偽不明の街談巷説が飛び交いやすい。
類義語・関連語
「街談巷説」と同様に、根拠のはっきりしない噂を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 流言飛語(りゅうげんひご):根拠のない噂が世間に広まること。
- 噂話(うわさばなし):人々の間で交わされる、真偽不明の話。
似た場面で使われる「道聴塗説」とは、噂そのものを指すか、噂を広める行為を戒めるかという点で違いがあります。
「街談巷説」と「道聴塗説」の違い
| 語句 | 指しているもの |
|---|---|
| 街談巷説 (がいだんこうせつ) | 世間に広まる噂話そのもの |
| 道聴塗説 (どうちょうとせつ) | 聞きかじりをすぐ受け売りする行為への戒め |
英語表現
through the grapevine
噂や情報が非公式なルートを伝って人から人へ広まる様子を表す言い回しで、出所のはっきりしない情報が伝わる状況を指す表現。
I heard through the grapevine that the shop is closing next month.
(その店が来月閉店するといううわさを、人づてに聞いた。)
the rumor mill
うわさが次々と生み出され広まっていく様子を「臼で挽く」ことにたとえた言い回しで、根拠不明の話が世間を巡る状況を指す表現。
According to the rumor mill, the company is planning layoffs.
(街談巷説によれば、その会社は人員削減を計画しているらしい。)









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