意味
「茶碗のご飯粒がきれいに取れると雨(ちゃわんのごはんつぶがきれいにとれるとあめ)」とは、茶碗に残ったご飯粒が洗わなくてもきれいに取れるときは、間もなく雨が降る前触れであるという意味の言い伝えです。
これは「観天望気」の一つで、食後の茶碗という日常のごく身近な場面から天気を読み取る言い回しです。
反対に、ご飯粒が茶碗にこびりついて取れにくいときは、晴れが続くしるしとされています。
こうした天気の言い伝えは「天気のことわざ」や「天気俚諺」(= 天気に関することわざ)とも呼ばれます。
語源・由来
ご飯が主食として毎日の食卓に上っていた暮らしの中から、この言い伝えは生まれたと考えられています。
茶碗を洗うという誰もが行う日課の中に、天気を占う目安が組み込まれていた点が特徴です。
福井県で1949年にまとめられた郷土資料『福井県の天気俚諺』(宮前経吉著)にも記録されています。
「取れやすさ」が変わる仕組み
米粒に含まれるでんぷんには、水分を吸うと柔らかくなる性質があります。
空気が湿っているときはでんぷんが水分を含んで緩むため、茶碗に張り付いたご飯粒もはがれやすくなります。
反対に空気が乾いているときは、でんぷんの粘り気が強く残るため、ご飯粒は茶碗にこびりついたまま取れにくくなります。
雨が近づくと空気中の湿度が上がることが多いため、この違いが天気を見分ける目安になったと考えられています。
使い方・例文
例文
- 「茶碗のご飯粒がきれいに取れると雨というし、傘を持って行こうか」と母が言った。
- 洗い物をしていた祖父が、ご飯粒がきれいに取れるのを見て空を気にした。
ご飯粒は、天気を占うだけでなく糊にも姿を変えていた
ご飯粒が持つ粘り気は、天気を占う以外の場面でも昔から活用されてきました。
奈良時代から平安時代にかけて、すり潰したご飯を練った続飯と呼ばれる糊が、木工品や建具の接着に使われていました。
江戸時代中期になると、やわらかく炊いたご飯から作る姫糊が一般に広まり、障子や襖に紙を貼る作業に使われるようになりました。
湿度によってご飯粒の粘り気が変わる同じ性質が、天気を見分ける目安にも、紙を貼り付ける糊にも使われていたことになります。










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