意味
「綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)」とは、天子(君主)が一度口にした言葉は取り消しがきかないという意味です。
皮膚から出た汗が体に戻らないことにたとえた言葉で、君主に限らず、責任ある立場の人の発言の重さを言うときにも使われます。
- 綸言(りんげん):天子の言葉。
語源・由来
「綸」は組みひものことで、儒教の経典『礼記』には、王の言葉は糸のように細くても、口から出ると組みひものように太く重くなるという一節があります。
ここから、天子の言葉を「綸言」と呼ぶようになりました。
「汗の如し」のほうは、中国の歴史書『漢書』にある、学者の劉向が皇帝に差し出した意見書の次の一節が元になっています。
号令は汗の如し。汗は出でて反らざる者なり
(君主の命令は汗のようなものだ。汗は一度出たら戻らない)
劉向はこれに続けて、良い命令を出しても時を置かずに撤回するのは「汗を戻す」ことだと述べ、命令を簡単に覆す政治をいさめました。
使い方・例文
- 全社員の前で約束した以上、社長の言葉は綸言汗の如しだ。
- 綸言汗の如しというのに、大臣の発言は翌日には撤回された。
- 監督の一言は綸言汗の如しで、選手はみな重く受け止めた。
類義語・関連語
この言葉と同じように、口にしたことや起きたことは取り消せないことを表す言葉には、以下のようなものがあります。
「綸言汗の如し」は、中国の古典にはない言い回し
「綸言」も「汗の如し」も中国の古典に由来しますが、二つをつないだ「綸言汗の如し」という形は、中国の古典には見当たりません。
『礼記』と『漢書』の言葉を踏まえて、日本で生まれた言い回しとみられます。
江戸時代に京都・大阪で遊ばれた「いろはかるた」では、「り」の札にこの言葉が使われています。










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