意味
「黄口児(こうこうじ)」とは、世間慣れしていない若者を、見下してからかう言葉です。
「青二才」とほぼ同じ意味の語で、未熟な相手を一段低く見る響きがあります。
- 黄口(こうこう):ひな鳥のくちばしの黄色さをたとえた語。
- 児(じ):人を表す接尾語。
語源・由来
「黄口児」は、「黄口」に人を表す「児」を加えた言葉です。
「黄口」は、ひな鳥のくちばしが黄色いところから、年が若く経験の浅いことをたとえた語で、「児」が付いて、そのような人物を指すようになりました。
使い方・例文
- 経験の浅い新人を、古株の社員は黄口児と呼んで見下した。
- 「私のような黄口児に務まるでしょうか」と、彼は謙遜して見せた。
- 老将軍は、若い将校たちを黄口児呼ばわりして憚らなかった。
使うときの注意
「黄口児」は、年齢や経験の浅さだけを理由に、相手の発言や能力を頭から軽んじる言葉です。
実際の力量を見ずに「若いから」という一点で人格や能力を決めつけるため、相手の自尊心を強く傷つけます。
面と向かって相手に投げつける言葉としては使わず、古い文章を読み解く場面や、自分自身の未熟さをへりくだって語る場面にとどめるのが無難です。
年齢に触れずに経験不足を伝えたいときは、「経験の浅い人」「まだ不慣れな人」のような言い方に置き換えられます。
類義語・関連語
この言葉と同様に、年若く経験の浅い者をあざける言葉には、次のようなものがあります。
- 青二才(あおにさい):
経験が浅く、一人前と認められない若者をあざけっていう語。
「黄口児」も「青二才」も意味はほぼ重なりますが、「青二才」のほうが今も口頭で使われる、なじみ深い言い方です。
英語表現
wet behind the ears
生まれたばかりの動物の体が濡れたままである様子から、世慣れない新米を表す表現。
He’s still wet behind the ears in this job.
(彼はこの仕事では、まだ黄口児だ。)
greenhorn
角がまだ柔らかい若い牛を語源に持つ、世慣れない新米を指す語。
Don’t expect too much from a greenhorn like him.
(彼のような黄口児に多くを期待するな。)
「黄口児」は、漢代の詩では自分の幼子を指した
「黄口児」という語そのものが、中国・漢代に成立したとされる詩「東門行」に登場します。
貧しさに追いつめられた男が剣を手にして家を出ようとする場面で、子の母である妻は、次のように夫を引き留めます。
他家但願富貴,賤妾與君共餔糜。上用倉浪天故,下當用此黃口兒。
(ほかの家は富や地位を望むのでしょうが、私はあなたと粗末な粥を分け合うだけで構いません。上はお天道様のため、下はこの幼い子のためです。)
ここでの「黄口児」は、あざけりではなく、夫婦の幼い子そのものを指しています。
「黄口」はもともと、ひな鳥のくちばしが黄色いことを言い、そこから幼いこと、さらに年若く考えも経験も浅い者をあざける意味にも使われるようになりました。



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