慣用句

気が引ける

(きがひける)

自分の言動に引け目を感じ、素直に振る舞えない気持ち。


5文字の言葉 / 「き・ぎ」から始まる言葉
気が引ける ことば
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意味

「気が引ける(きがひける)」とは、自分の言動にやましさや遠慮を感じて、素直に行動できずためらう気持ちを指します。
たとえ相手が気にしていなくても、自分の中でうしろめたさが先に立ち、素直に振る舞えなくなる点が特徴です。
人に頼み事をするときだけでなく、何かを断ったり言い出したりする場面でも使われます。

語源・由来

この言葉は、「気」と「引ける」という二つの語がそのまま組み合わさった表現です。
「引ける」には後ろに退く・ひるむという意味があり、気持ちがすくんで前に出られなくなる様子を「気が引ける」と言い表しています。

使い方・例文

多くの場合「〜のは気が引ける」「〜するのが気が引ける」の形で使われ、何かを頼む・断る・言い出すといった具体的な行動とセットで使われます。

  • 何度も助けてもらっているので、また頼むのは気が引ける。
  • 一人だけ先に帰るのは気が引けて、皆と一緒に片付けた。
  • 満員電車で足を伸ばすのは気が引け、彼はいつも縮こまっている。

類義語・関連語

この言葉と同様に、気後れや引け目を感じる気持ちを表す言葉には、次のようなものがあります。

  • 肩身が狭い(かたみがせまい):
    世間や周囲に対して面目が立たず、引け目を感じること。
  • 気が咎める(きがとがめる):
    後ろめたさや、やましさを感じること。

「気が引ける」と類義語の違い

どちらも似た心の動きを指しますが、引け目の向かう先が違います。
「肩身が狭い」は世間からの評価や体面を気にする言葉で、「気が咎める」は自分の良心に対するやましさが中心です。
「気が引ける」は、相手が実際にどう思っているかとは関係なく生じる、素朴な気後れを指します。

語句対象ニュアンス
気が引ける
(きがひける)
自分の内面素朴な気後れ・遠慮
肩身が狭い
(かたみがせまい)
世間・周囲の評価面目のなさ・体面
気が咎める
(きがとがめる)
自分の良心後ろめたさ・罪悪感

対義語

一方、遠慮や引け目を感じず、堂々と振る舞う様子を表す言葉には、次のようなものがあります。

  • 大手を振る(おおでをふる):
    あたりをはばからず、堂々と振る舞うこと。

英語表現

英語では、次のような表現が近いニュアンスを持ちます。

feel awkward about doing something

相手への遠慮から、素直に行動しづらい気まずさを表す表現。

I feel a bit awkward about asking for another favor.
(何度もお願いするのは、少し気が引けます。)

hate to impose, but

相手に負担をかけることをためらいながら頼む場面で使う表現。

I hate to impose, but could you help me carry this?
(こんなことを頼むのは気が引けますが、これを運ぶのを手伝ってもらえますか。)

学校が「引ける」も、気が「引ける」も同じ動詞

「引ける」という動詞には、気後れしてひるむという意味のほかに、その日の勤めや授業が終わって退出するという意味があります。
「今日は学校が四時に引ける」「もう店が引ける時間だ」という使い方がこれで、下校や退勤の場面でよく耳にする語です。

一見すると別々の言葉に見えますが、どちらも「引く」という動詞から生まれた自動詞で、後ろに退くという中心の意味を共有しています。
勤めが引けるのは、その場から身を引いて退出すること。
気が引けるのは、気持ちがひるんで前に出られず、後ろへ退いてしまうことです。

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