2031年の干支「亥(猪)」のことわざ・慣用句・四字熟語一覧

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干支「亥(猪)」のことわざ 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

古くから狩猟の対象であり、その凄まじい突進力から「山の神」としても恐れ敬われてきた「猪(いのしし)」。
日本では勇猛な野生の猪を指しますが、干支の発祥地である中国などでは、家畜化された「豚」を指します。そのため、この干支には「猪」と「豚」の両方にまつわる言葉が含まれます。

2031年(令和13年)の干支は「辛亥(かのとのい)」。
目標に向かって突き進むエネルギーと、広い視野を養うために、「猪・豚」に関する表現へ、今一度、目を向けてみましょう。

1. 勇気・勢い・直情的な性質を表す言葉

猪の最大の特徴である「突進力」や、後先を考えない「無鉄砲さ」を表す言葉です。

猪突猛進(ちょとつもうしん)

  • 意味
    周囲の状況を顧みず、目標に向かって猛烈な勢いで突き進むこと。
  • 解説
    猪の直線的な走りにたとえた言葉です。「向こう見ず」というネガティブな意味と、「迷わず行動する」というポジティブな意味、文脈によって両方で使われます。

猪武者(いのししむしゃ)

  • 意味
    勇気や腕力はあるが、思慮分別がなく、ただがむしゃらに敵へ突っ込んでいく武士のこと。
  • 解説
    「猪突猛進」する人を批判的に言う言葉です。現代では、仕事などで戦略なく強引に進める人を指して使われます。

手負いの猪(ておいのいのしし)

  • 意味
    傷を負って追い詰められた猪は、死に物狂いで反撃してくるため非常に危険であるということ。
  • 解説
    「窮鼠(きゅうそ)猫を噛む」の重量級バージョンです。痛手を負った相手をさらに追い詰めると、思わぬしっぺ返しを食らうという警告です。

2. 価値・愚かさ・戒めを表す言葉(豚の言葉)

干支の「亥」は本来「豚」を指すため、豚にまつわる有名なことわざもこの干支の教訓に含まれます。

豚に真珠(ぶたにしんじゅ)

  • 意味
    価値の分からない者に、貴重なものを与えても無駄であるというたとえ。
  • 由来
    『新約聖書』の「聖なる物を犬にやるな、真珠を豚に投げてやるな」という言葉に由来します。「猫に小判」や「馬の耳に念仏」と同義です。

豚もおだてりゃ木に登る(ぶたもおだてりゃきにのぼる)

  • 意味
    能力のない者でも、おだてて気分を良くさせれば、普段できないようなことをやってのけるということ。
  • 由来
    古くからのことわざではなく、昭和のアニメ『ヤッターマン』から広まった流行語ですが、現在では慣用句として完全に定着しています。

遼東の豕(りょうとうのいのこ)

  • 意味
    世間ではありふれているものを、自分だけが珍しいものだと思い込んで自慢すること。ひとりよがりのたとえ。
  • 由来
    『後漢書』より。遼東(中国の地名)の豚は黒色が普通だが、ある時、頭の白い豚が生まれた。珍しいと思い皇帝に献上しようとしたが、他の地方では白い豚が普通であることを知り、恥じて引き返したという故事から。「豕(いのこ)」は豚のこと。「井の中の蛙」に近い教訓です。

3. 文化・風習に関する言葉

日本の文化や遊びの中に根付いた、猪にまつわる表現です。

猪鹿蝶(いのしかちょう)

  • 意味
    花札の役の一つ。「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚の札を揃えたもの。
  • 解説
    非常に縁起が良い組み合わせとされ、転じて「幸運」や「拍子抜けするほどトントン拍子にいくこと」を指すこともあります。

山鯨(やまくじら)

  • 意味
    猪の肉のこと。
  • 解説
    江戸時代など、獣肉食が禁じられていた頃、猪を「山に住む鯨(魚)」だと言い張って食べていたことによる隠語です。庶民のたくましさとユーモアを感じさせる言葉です。

猪口(おちょこ)

  • 意味
    お酒を飲む小さな器。また、生意気なこと(猪口才)。
  • 由来
    諸説ありますが、形が「猪の口(口先)」に似ていることから「猪口(ちょく)」と呼ばれ、丁寧語の「お」がついて「おちょこ」になったと言われています。

4. 座右の銘に使える「亥」の四字熟語

猪突猛進(ちょとつもうしん)

  • 意味
    前述の通り、わき目もふらず突き進むこと。
  • 活用
    座右の銘にする場合は、「迷いを捨てて行動する」というポジティブな決意表明として使われます。

一竜一猪(いちりゅういっちょ)

  • 意味
    努力して学ぶ者と、怠けて学ばない者との間には、竜と豚ほどの大きな差ができるという教え。
  • 由来
    唐の文人・韓癒(かんゆ)の詩より。もとは同じ人間でも、学び続けるか否かで賢愚の差が開くことを説いた、学問の重要性を示す言葉です。

封豕長蛇(ほうしちょうだ)

  • 意味
    貪欲で残酷な人や、侵略者のたとえ。
  • 由来
    『左伝』より。「封豕」は大きな猪(または豚)、「長蛇」は長い蛇。食欲旺盛な猪と、何でも飲み込む蛇のように、飽くなき欲望を持つ悪人を指します。

5. 英語における豚(Boar/Pig)の表現

英語圏では Wild boar(猪)よりも Pig(豚)を使った慣用句が圧倒的に多く存在します。

Cast pearls before swine.

  • 意味:「豚に真珠」
  • 解説
    日本の「豚に真珠」の語源となった聖書の言葉そのものです。SwineはPigの古風・上品な言い方です。

When pigs fly.

  • 意味:「豚が空を飛ぶ時(=絶対にあり得ない)」
  • 解説
    「そんなことあり得ないよ」と否定する際、「Yeah, when pigs fly!(はいはい、豚が空を飛んだらね)」と皮肉っぽく使います。

Buy a pig in a poke.

  • 意味:「袋に入った豚を買う(中身をよく確かめずに買う)」
  • 解説
    昔、袋に入れた子豚と偽って猫を売る詐欺があったことから、中身を確認せずに衝動買いすることを戒める言葉です。「衝動買い」や「安物買いの銭失い」に近いニュアンスです。

「亥」に関する豆知識

日本は「猪」、世界は「豚」

十二支の「亥」は、日本では「猪(イノシシ)」ですが、中国・韓国・ベトナムなど他の漢字文化圏では「豚(ブタ)」を指します。
なぜ日本だけ猪になったのかについては諸説ありますが、干支が伝わった当時の日本には家畜としての豚が一般的ではなく、野生の猪の方が身近だったため、置き換えられたと言われています。
そのため、中国で「亥年生まれ」と言うと、「金運があって裕福(豚は富の象徴)」という非常に良いイメージを持たれます。

「亥」は植物の核

干支の「亥(がい)」という漢字は、動物の猪とは関係なく、もともとは「核(かく)」という字に通じます。
草木の生命力が種(核)の中に閉じ込められている状態、つまり「次なる春に向けてエネルギーを蓄えている状態」を表しています。
猪突猛進のイメージとは裏腹に、本来は「準備・凝縮」の意味を持つ年なのです。

「亥の子餅(いのこもち)」で無病息災

旧暦10月の「亥の日」に、猪の子供(うり坊)のような形をした餅を食べる「亥の子餅」という風習があります。
猪は多産であることから子孫繁栄を願ったり、火伏せ(火事除け)の神である愛宕神社(猪が使い)にあやかって、こたつ開きをしたりする行事です。

過去・未来の「亥年(いのししどし)」年表

ご自身の生まれ年や、歴史上の出来事の確認にお使いください。

西暦和暦干支(十干十二支)
1947年昭和22年丁亥(ひのとのい)
1959年昭和34年己亥(つちのとのい)
1971年昭和46年辛亥(かのとのい)
1983年昭和58年癸亥(みずのとのい)
1995年平成7年乙亥(きのとのい)
2007年平成19年丁亥(ひのとのい)
2019年平成31年/令和元年己亥(つちのとのい)
2031年令和13年(予定)辛亥(かのとのい)
2043年令和25年(予定)癸亥(みずのとのい)
2055年令和37年(予定)乙亥(きのとのい)
2067年令和49年(予定)丁亥(ひのとのい)
2079年令和61年(予定)己亥(つちのとのい)

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