「天災」に関することわざ・慣用句・四字熟語一覧|意味と由来

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天災にまつわる ことわざ 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

自然の驚異を前にした時、私たちはその圧倒的な力に言葉を失うことがあります。
しかし、古来より災害と共に生きてきた日本人は、その記憶や教訓を「天災」にまつわる言葉として、後世に託してきました。
これらの言葉を紐解くことは、単なる知識の習得にとどまらず、私たちの防災意識を研ぎ澄まし、不測の事態に立ち向かう知恵を授けてくれるはずです。

もくじ
  1. 自然の猛威と急変する事態
  2. 未来を守る備えと教訓
  3. 災いの先に差す光と再生
  4. まとめ

自然の猛威と急変する事態

天変地異(てんぺんちい)

天空に起こる異変と、地上で起こる異変のこと。
地震、雷、台風、洪水、噴火など、自然界の激しい変動や大規模な災害全般を指します。「天変」は暴風雨や彗星などの空の異変、「地異」は地震や地割れなどの地の異変を意味しています。

嵐の前の静けさ(あらしのまえのしずけさ)

激しい嵐が襲来する直前に、一時的に風が止んで不気味なほど静かになること。
大きな事件や、避けることのできない激動が起こる直前の、嵐をはらんだような不穏な静寂を例えて使われます。

青天の霹靂(せいてんのへきれき)

青く晴れ渡った空に、突然激しい雷鳴が響くこと。
全く予期していなかった衝撃的な出来事が、突如として身に降りかかる様子を指します。
災害が常に、私たちの「日常」の延長線上に潜んでいることを物語っています。

寝耳に水(ねみみにみず)

寝ているときに、突然耳の中に水が入って驚き慌てること。
思いがけない出来事に遭遇し、パニックになる様子を例えた言葉です。
かつて洪水で堤防が切れた際、その音を寝床で聞いた驚きが語源の一つともされており、水の災害の不意打ちを象徴しています。

風雲急を告げる(ふううんきゅうをつげる)

今にも大きな変動が起こりそうな、差し迫った情勢になること。
「風雲」は風と雲の動き、転じて世の中の情勢を指します。
嵐や土砂災害などの兆候が見られ、事態が緊迫している状況を表します。

危機一髪(ききいっぱつ)

髪の毛一本ほどのわずかな差で、極めて危険な状態に陥りそうな瀬戸際のこと。
命が助かるかどうかの、ほんのわずかな境目を意味します。
自然災害の現場において、生死を分かつ判断がいかに一瞬であるかを示しています。

地震雷火事親父(じしんかみなりかじおやじ)

世の中で恐ろしいとされるものを、順に並べた言葉。
上位三つを地震・雷・火事という天災(および二次災害)が占めており、人知を超えた自然の力が古来いかに畏怖されてきたかを伝えています。

一寸先は闇(いっすんさきはやみ)

わずか一寸(約3センチ)先のことですら、何が起こるか全く予測できないこと。
さっきまで平穏だった場所が、次の瞬間には災害現場に変わるかもしれないという、自然界の非情さと予測困難さを説いています。

未来を守る備えと教訓

天災は忘れた頃にやってくる(てんさいはわすれたころにやってくる)

災害の恐ろしさを人々が忘れ、油断が生まれたときに限って、再び大きな災難が襲ってくるという戒め。
物理学者・寺田寅彦が唱えたとされる言葉であり、平時における防災意識の継続がいかに困難で、かつ重要であるかを教えています。

備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし)

日頃から準備を万全にしておけば、いざという時に困ったり心配したりすることはないということ。
防災用品の点検や避難訓練など、平時における具体的な「備え」こそが、有事の際の安心を支える唯一の手段です。

喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる)

苦しい経験も、それが過ぎ去ってしまえば、その時の痛みや教訓を簡単に忘れてしまうということ。
被災直後の緊張感も、時が経てば薄れてしまう人間の弱さを指摘しており、記憶を風化させない努力が必要であることを示唆しています。

津波てんでんこ(つなみてんでんこ)

津波が来たら、家族であっても構わず、各自がバラバラに、とにかく高台へ逃げろという教え。
三陸地方に伝わるこの言葉は、決して冷酷な意味ではなく、家族全員が「必ず各自で逃げている」と信じ合うことで、共倒れを防ぎ生存率を最大化させるための、極めて合理的な生存戦略です。

対岸の火事(たいがんのかじ)

川の向こう岸で起きている火事は、自分に被害が及ぶ心配がないことから、苦痛も感じず関心も持たないこと。
他人の災害を他人事として捉える無関心さを戒める際にも使われます。

地震の後に火事あり(じしんのあとにかじあり)

地震が起きた後は、必ず火災の発生に注意せよという警句。
揺れによる直接的な被害だけでなく、その後に続く二次災害への警戒を怠ってはならないという、歴史的な災害経験に基づいた実用的な教えです。

一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)

一つの災難をようやく切り抜けたと思ったら、すぐにまた別の災難が襲ってくること。
豪雨の後の土砂崩れ、地震の後の津波や火災など、天災が連鎖して起こる厳しい現実を言い当てています。

災いの先に差す光と再生

台風一過(たいふういっか)

台風が通り過ぎた後、空がすっきりと晴れ渡り、天気が急に良くなること。
また、騒動や困難な事態が解決し、晴れ晴れとした状態になることの例えとしても使われます。

干天の慈雨(かんてんのじう)

ひどい日照りが続いているときに降る、恵みの雨。
待ち望んでいた救いの手が差し伸べられたり、絶望的な状況の中で希望が見えたりすることを指します。
自然は猛威を振るう一方で、命を育む恵みも同時にもたらします。

雨降って地固まる(あめふってじがためる)

雨が降ったあとは、かえって地面が踏み固まって強くなること。
揉め事や天災などの悪いことが起きたあとに、かえって事態が以前よりも良い状態に落ち着き、組織や心の絆がしっかりすることを意味します。

禍を転じて福と為す(わざわいをてんじてふくとなす)

自分に降りかかった災難をうまく利用して、自分に有利になるように、あるいは幸せになるように取り計らうこと。
被災という不幸をただ嘆くのではなく、それをきっかけにより強固な防災の町作りを行うなど、前向きな姿勢を象徴します。

一陽来復(いちようらいふく)

厳しい冬が終わり、暖かい春が巡ってくること。
転じて、長く苦しい状況が続いたあとに、ようやく幸運に向かっていくことを指します。
被災地の人々が復興を願い、再生を期する際によく用いられる言葉です。

七転八起(しちてんはっき)

何度失敗しても、あるいは何度打ちのめされても、決して諦めずに立ち上がること。
災害によって全てを失うような打撃を受けても、そこから不屈の精神で立ち直ろうとする人間の強さを讃える言葉です。

待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)

今は荒れていて海に出られなくても、じっと待っていれば、やがて航海に適した穏やかな日がやってくるということ。
困難な状況にあっても、焦らずに時機を待てば、必ず道は開けるという希望を説いています。

まとめ

自然災害は、いつの時代も私たちの想像を超えた形で現れます。
しかし、ここで挙げた言葉たちは、先人たちが命を懸けて得た経験の結晶です。
「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉が示す通り、最も恐ろしいのは自然そのもの以上に、私たちの「忘却」と「油断」かもしれません。

これらの言葉を心に留めておくことは、万が一の時に自分や大切な人の命をつなぎ、再び立ち上がるための心の灯火になることでしょう。

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