意味
「山笑う(やまわらう)」とは、新芽や花で彩られた春の山が、笑っているように見えるようすという意味です。
春の季語(= 俳句で季節を表すために使う言葉)で、山を人が笑う顔にたとえた言い方です。
語源・由来
この言葉は、『臥遊録』(= 中国の書物)にある、次の一節が由来です。
春山淡冶として笑うが如し
(春の山は、あっさりとあでやかで、笑っているようだ。)
芽吹きと花で明るくなった春の山を、人の笑顔にたとえています。
使い方・例文
- 窓の外では桜と新緑が重なり、まさに山笑う景色だった。
- 遠足のバスから、山笑うような明るい斜面が見えた。
- 雪が消えて山笑う季節を迎え、祖父は毎朝畑に出ている。
「山笑う」と同じ一節から、「山粧う」「山眠る」も生まれた
「山笑う」の元の一節は、秋の山と冬の山も人の姿にたとえています。
『臥遊録』では、秋が「秋山明浄にして粧うが如し」、冬が「冬山惨淡として眠るが如し」です。
このうち、秋の山が紅葉で色づくようすを言う「山粧う」は秋の季語、冬の山の静まり返ったようすを言う「山眠る」は冬の季語になっています。
この一節は、北宋(= 中国の王朝)の画家郭熙の画論をまとめた『林泉高致集』にも、春夏秋冬の山をそろえた形で、次のようにあります。
春山淡冶而如笑,夏山蒼翠而如滴,秋山明凈如妝,冬山慘淡而如睡。
(春の山はあっさりとあでやかで笑っているよう、夏の山は青々として緑がしたたるよう、秋の山は明るく澄んで化粧をしたよう、冬の山はもの寂しく眠っているようだ。)
『林泉高致集』では、冬の山の「眠る」にあたる字が「睡」になっています。



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