意味
「破鏡再び照らさず(はきょうふたたびてらさず)」とは、夫婦の別れのように、一度壊れてしまった関係は二度と元どおりにならないという意味です。
割れた鏡がもう元のように物を映さないことにたとえています。
- 破鏡(はきょう):割れた鏡。
- 照らさず(てらさず):ここでは、物を映さないこと。
語源・由来
この言葉は、中国の禅僧たちの言葉や問答を集めた『景徳伝灯録』の巻十七にある問答から来ています。
ある僧が「大いに悟った人が、なぜかえって迷うのですか」と尋ね、師が答えたのが次の一節です。
問:「大悟底人為什麼卻迷。」師曰:「破鏡不重照,落花難上枝。」
(僧が問う。「大いに悟った人が、どうしてかえって迷うのでしょうか。」師は言った。「割れた鏡は二度と照らさず、散った花は枝に戻りがたい。」)
日本では、このうち鏡の句が、夫婦などの壊れた仲は戻らないというたとえとして使われています。
使い方・例文
- 両親に復縁を願ったが、破鏡再び照らさずで、二人が戻ることはなかった。
- 裏切った友人に謝ったものの、破鏡再び照らさず、昔の仲には戻れなかった。
- 破鏡再び照らさずというから、失った信頼を取り戻すのは難しいだろう。
類義語・関連語
別れた仲は元に戻らない、という点で同じたとえです。
- 覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず):
こぼれた水が盆に戻らないように、一度別れた夫婦の仲は元に戻らないことのたとえ。転じて、してしまったことは取り返しがつかない意にも。
「破鏡再び照らさず」と「覆水盆に返らず」の違い
どちらも離縁した夫婦の仲が戻らないことを言い、互いを言い換えに使えるほど近い語です。
「覆水盆に返らず」は、そこから転じて、一度してしまったことは取り返しがつかないという意味にも広く使います。
「破鏡再び照らさず」は、夫婦の離別など、壊れた関係について使う語です。
散った花の句と組むと、「破鏡再び照らさず」は死別にも使う
この句は、「落花枝に帰らず、破鏡再び照らさず」と、散った花の句と組にして言うこともあります。
散った花は枝に戻らず、割れた鏡は元のように照らさない、という二つのたとえを重ねた形です。
組にした形は、壊れた男女の仲だけでなく、過ぎた時は帰らないこと、亡くなった人はこの世に戻らないことのたとえにも使われます。

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