「後悔先に立たず」「覆水盆に返らず」「ほぞを噛む」など、後悔を表すことわざ・慣用句・四字熟語を集めました。
取り返しがつかない・悔やむ・好機を逃す・親孝行の後悔・悔い改めるなど、意味ごとに分けて読みと意味を紹介します。
最後に、後悔の言葉と取り違えやすい言葉を、意味の違いとあわせてまとめました。
もくじ
取り返しがつかない・手遅れを表すことわざ
- 後悔先に立たず(こうかいさきにたたず):
してしまったことは、後になって悔やんでもどうにもならないという意味。
事を起こす前によく考えておけ、という戒めとしても使う。 - 覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず):
一度してしまったことは、もう元には戻せないというたとえ。
もとは別れた夫婦の仲が戻らないことをいい、周の太公望が、復縁を求めてきた元の妻に、こぼした盆の水を戻せたら応じると言った故事から。四字で「覆水不返」ともいう。 - 後の祭り(あとのまつり):
時機を逃して手遅れになり、今さらどうにもならない状態。
祭りが済んだあとの山車やみこしは役に立たないことから。 - 死んだ子の年を数える(しんだこのとしをかぞえる):
言っても仕方のない過去のことを、いつまでも悔やむたとえ。
亡くした子が生きていれば今いくつかと、指を折って数える親の姿から。 - 葬礼帰りの医者話(そうれいがえりのいしゃばなし):
手遅れになってから悔やむこと。
葬式を済ませた帰りに、病人をみた医者のことをあれこれ言っても遅いことから。「死んだ後の医者話」ともいう。 - 下種の後知恵(げすのあとぢえ):
愚かな者は、肝心なときには知恵が出ず、事が終わってから良い考えを思いつくものだという意味。
「下種の後思案」ともいい、「虚仮(= 愚かな者)の後思案」も同じ意味。「下種」は人を見下す言い方なので、他人に向けて使うと角が立つ。
悔やむ・気がとがめる気持ちを表すことわざ・慣用句
- ほぞを噛む(ほぞをかむ):
どうにもならないことを、後になってひどく悔やむこと。
「ほぞ」はへそ。口を自分のへそに近づけようとしても届かないことにたとえた。 - 寝覚めが悪い(ねざめがわるい):
過去の自分の行いを思い出して、良心が痛み、心が落ち着かない様子。
もとは目が覚めたときの気分が悪いことをいう。良心がとがめる意味で「目覚めが悪い」と言うのは、本来の言い方ではない。 - 気が咎める(きがとがめる):
自分のしたことを悪いと感じて、後ろめたくなる気持ち。 - 合わせる顔がない(あわせるかおがない):
不始末をしでかし、面目なくてその人の前に出られないこと。
褒められて照れくさいときのような、不始末をしていない恥ずかしさには使わない。 - 心の鬼が身を責める(こころのおにがみをせめる):
自分のしたことを良心がとがめ、苦しむ様子。
「心の鬼」は、自分の悪い行いを責める良心のこと。
好機を逃して惜しむことを表すことわざ
- 逃がした魚は大きい(にがしたさかなはおおきい):
手に入れかけて逃したものは、惜しさから、実際より値打ちがあるように思えるものだという意味。
「釣り落とした魚は大きい」ともいう。 - 長蛇を逸す(ちょうだをいっす):
せっかくの好機や大きな獲物を、あと一歩で取り逃がすこと。
「長蛇」は大きな蛇で、大物のたとえ。上杉謙信が武田信玄を討ちそこなった場面を詠んだ、江戸時代の詩にある言葉。 - 宝の山に入りながら手を空しくして帰る(たからのやまにいりながらてをむなしくしてかえる):
またとない好機に出会いながら、何も得られずに終わるたとえ。
親孝行の後悔を表すことわざ
- 孝行のしたい時分に親はなし(こうこうのしたいじぶんにおやはなし):
親のありがたさが分かって孝行したいと思う年になると、もう親は亡くなっているということ。
親が元気なうちに孝行しておけばよかった、という後悔をこめて使う。 - 風樹の嘆(ふうじゅのたん):
孝行をしたいと思ったときには、すでに親がこの世にいないという嘆き。
木は静かにしていたくても風がやまないように、子が親を養おうと思っても親は待ってくれない、という中国の古い話から。四字熟語では「風樹之歎」と書き、「風木之悲」ともいう。 - 石に布団は着せられず(いしにふとんはきせられず):
親が亡くなってからでは、孝行をしようにも間に合わないというたとえ。
「石」は墓石のことで、墓石に布団を掛けても孝行にはならないことから。
後悔しないように戒めることわざ
- 転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ):
つまずく前に杖を用意するように、失敗に備えてあらかじめ用心しておくこと。 - 亢竜悔いあり(こうりょうくいあり):
地位や財産の頂点に立った者は、身を慎まないと、しくじって悔いることがあるという戒め。
「亢竜」は天まで昇りつめた竜のことで、あとは下るしかないことから。『易経』にある言葉。
取り返しのつかないことを悔やむ四字熟語
- 後悔噬臍(こうかいぜいせい):
悔やんだときにはもう遅く、どうにもならないというたとえ。
「噬臍」はへそをかむ意で、「ほぞを噛む」と同じ意味。 - 千恨万悔(せんこんばんかい):
犯してしまった過ちを、これ以上ないほど悔やむこと。
「千」「万」は数の多さを表す。 - 死児之齢(しじのよわい):
取り返しのつかないことを、いつまでも悔やむ意。
「死んだ子の年を数える」を四字にした形で、ふつうはことわざの形で言う。
残念でたまらない気持ちを表す四字熟語
- 遺憾千万(いかんせんばん):
心残りで、残念でたまらない様子。
「千万」は程度がはなはだしいことを表す。 - 残念無念(ざんねんむねん):
どちらも悔しい意の「残念」と「無念」を重ねた、ひどく悔しい気持ち。 - 残念至極(ざんねんしごく):
このうえなく悔しく、心残りな様子。
似た言葉に「無念至極」「無念千万」がある。
過ちを悔い改めることを表す四字熟語
- 昨非今是(さくひこんぜ):
昨日までの過ちに気づき、今の考えのほうが正しいと悟ること。境遇が変わって考え方がすっかり変わる意でも使う。
東晋の詩人・陶淵明が役人をやめて故郷へ帰るときの言葉から。「今是昨非」ともいう。 - 改過自新(かいかじしん):
自分の過ちを改め、心を入れかえて出直すという意味。 - 飲灰洗胃(いんかいせんい):
心の底から悔い改めて、新しく出直すたとえ。
灰を飲んで胃の中を洗い清める意。 - 悔悟憤発(かいごふんぱつ):
失敗を悔いて、取り戻そうと奮い立つこと。 - 悔悟慙羞(かいござんしゅう):
過ちに気づいて悔やみ、心から恥じ入る様子。
「慙羞」は恥ずかしく思う気持ちをいう。
後悔の意味で使うと注意が要る言葉
悔しさ・失望・恥など、後悔に近いけれど意味の違う言葉です。
後悔の気持ちを言うつもりで使うと、伝わる意味がずれることがあります。
- 地団駄を踏む(じだんだをふむ):
悔しさや怒りで、地面を何度も激しく踏み鳴らすこと。
悔しがる様子の言葉で、自分の行いを悔やむ意味は無い。 - 自暴自棄(じぼうじき):
思いどおりにならずに投げやりになり、自分を大事にしなくなる様子。
失敗のあとの投げやりな状態をいう言葉で、悔やむ気持ちとは違う。 - 若気の至り(わかげのいたり):
若さにまかせ、血気にはやって無分別なことをしてしまうこと。
悔やむ気持ちではなく、無分別な行いのほうを指すので、「若気の至りを悔やむ」のように使う。 - 忸怩たる思い(じくじたるおもい):
自分の行いを、心の中で深く恥じ入る気持ち。
文化庁の世論調査では「残念で、もどかしい思い」の意味で受け取る人のほうが多いが、本来は恥じ入る気持ち。悔しさを言いたいときに使うと、本来の意味からずれる。 - 切歯扼腕(せっしやくわん):
歯ぎしりをして腕を握りしめるほど、ひどく怒ったり悔しがったりする様子。
怒りの混じった悔しさをいう。 - ごまめの歯ぎしり(ごまめのはぎしり):
力のない者がいくら憤慨しても、どうにもならないことのたとえ。
力の無い者の憤慨をいう言葉。 - 破鏡再び照らさず(はきょうふたたびてらさず):
離縁した夫婦のように、一度壊れた仲は元に戻らないという意味。
一度壊れた人と人との関係についていう言葉。 - 開けて悔しき玉手箱(あけてくやしきたまてばこ):
結果が期待と大きく違って、がっかりすることのたとえ。
浦島太郎が玉手箱を開けて老人になった話から。「悔しき」とあっても、自分の行いを悔やむ言葉ではない。 - 既往は咎めず(きおうはとがめず):
過ぎてしまったことを責めるより、これから先を慎むほうが大切だということ。
『論語』にある孔子の言葉。済んだことを責めない側の言葉で、悔やむ言葉とは向きが逆になる。 - 精衛填海(せいえいてんかい):
とてもかなわないことをしようとして、結局むだに終わるたとえ。
精衛という小鳥が、小石を運んで海を埋めようとした中国の伝説から。むだな努力・固い決意・いつまでも悔やみ続けることと意味が幾通りにも分かれる語なので、後悔を言うつもりで使うと別の意味に取られやすい。






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