意味
温良恭倹とは、穏やかで素直、うやうやしく、つつましいことという意味です。
人格者にふさわしい理想的な態度を表す四字熟語として使われます。
- 温(おん):おだやかなさま。
- 良(りょう):すなおなさま。
- 恭(きょう):うやうやしいさま。
- 倹(けん):ひかえめでつつましいさま。
語源・由来
出典は中国の古典『論語』学而篇です。
孔子の弟子・子禽(しきん)が「先生(孔子)はどの国に行っても必ず政治について相談を受けるが、それはご自身から求めたのか、それとも相手から求められたのか」と、同じく弟子の子貢(しこう)に尋ねた場面が描かれています。
子貢は「先生は温・良・恭・倹・譲の徳をお持ちだからこそ、自然と求められるのだ」と答えたとされています。
本来は「温良恭倹譲」と五字で、謙譲の心を意味する「譲」を含む言葉でしたが、後世「譲」を省いた四字だけでも使われるようになったと伝えられています。
使い方・例文
温良恭倹は、穏やかで謙虚な人柄をたたえる場面で使われます。
- 彼女の温良恭倹な人柄は、周囲から厚い信頼を集めている。
- 新任の校長は温良恭倹を絵に描いたような人物だ。
- 祖母はいつも温良恭倹を心がけて生きてきたと語っていた。
類義語・関連語
温良恭倹と同様に、穏やかで控えめな人柄を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 温厚篤実(おんこうとくじつ):
穏やかで人情に厚く、誠実なこと。 - 謙虚(けんきょ):
自分を誇らず、控えめであること。
消えた一字「譲」のゆくえ
本来「温良恭倹譲」と五字だった言葉から、なぜ「譲」だけが省かれたのかは、はっきりとした記録が残っているわけではありません。
ただ、「温・良・恭・倹」の四字だけでも穏やかで控えめな人柄を十分に言い表せることから、後世の人々が語呂の良さや使いやすさを優先して四字に整えたのではないかと考えられています。
一つの熟語が長い年月の中で少しずつ形を変えていく様子は、言葉が使われる場面や慣習に応じて変化してきたことを示す例といえます。











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