故事成語

天馬空を行く

(てんばくうをいく)

天馬が大空を駆けるように、発想や行動が自由奔放であること。

異形:てんばくうをゆく

8文字の言葉て・で」から始まる言葉
天馬空を行く ことば
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意味

天馬空を行くとは、天馬が大空を思うままに駆けるように、着想や行動が何ものにもとらわれず自由奔放であることという意味です。
既存の型や常識にしばられない、のびのびとした発想や作風を評価する場面で使われます。

  • 天馬(てんば):天帝が乗るという、空を駆ける馬。
  • (くう):大空、天空。
  • 行く(いく):進む、駆けめぐること。

語源・由来

「天馬空を行く」は、中国の四字熟語「天馬行空てんばこうくう」を訓読みした言葉です。
中国・元代の学者劉廷振りゅうていしんが、ある詩人の作品集に寄せた序文『薩天錫詩集序さつてんしゃくししゅうじょ』の中で、その自由闊達な詩風を、大空を駆ける天馬にたとえて「天馬行空」と評したことに由来するという説があります。
やがてこの言葉は、詩や文章に限らず、常識や形式にとらわれない自由な発想や行動全般を指すようになりました。

使い方・例文

既存の枠にとらわれない、独創的な発想や作品を評するときに使われます。

  • 彼の企画はいつも天馬空を行くような自由な発想で驚かされる。
  • あの画家の作風は、まさに天馬空を行く自由さだと評された。
  • 常識にとらわれない天馬空を行く発想が新事業を生んだ。

類義語・関連語

  • 縦横無尽(じゅうおうむじん):
    思う存分に自由自在に活動する様子。
  • 自由奔放(じゆうほんぽう):
    他人の目や常識を気にせず、思うままに振る舞うこと。

対義語

  • 杓子定規(しゃくしじょうぎ):
    何事も一つの基準や形式に当てはめようとすること。

英語表現

let one’s imagination run wild

「想像を思う存分働かせる」という意味の表現で、発想や考えが型にはまらず自由に広がる様子を表す言い回しで、「天馬空を行く」の自由な発想というニュアンスに近い表現です。

The novelist let her imagination run wild in the new story.
(その小説家は新作で天馬空を行くような発想を存分に働かせた。)

「ゆく」か「いく」か、同じ漢字の読みの揺れ

「天馬空を行く」は、中国由来の四字熟語「天馬行空」を日本語の語順に置き換えて読み下した言葉である。
動詞「行く」は、古くからの読み方である「ゆく」と、現代語に近い「いく」のどちらでも読むことができ、この言葉も「てんばくうをゆく」「てんばくうをいく」の両方の読みが辞書に見られる。

もとの四字熟語をそのまま音読みすれば「てんばこうくう」となる。
同じ一つの言葉に複数の読み方が併存しているのは、中国から入ってきた漢語を日本語の文法に合わせて読み下してきた、長い歴史の名残だといえる。

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