毎日の食い扶持を稼ぐための仕事や技術を、種をまいて実らせるものになぞらえる。
そんな、生活を支える糧を生み出す元手を指す言葉が、「飯の種」(めしのたね)です。
意味
「飯の種」とは、生活していくための収入を得る手段という意味です。
職業や商売、あるいは利益を生み出すきっかけとなるものを指し、やや生々しく実利的な響きを持つ言葉です。
- 飯(めし):日々の生活の糧
- 種(たね):物事を生み出すもとになるもの
語源・由来
「飯の種」は、生きていくことを「飯を食う」と表現する日本語の言い回しから生まれた言葉です。
生活の糧を得ることを「飯」という一語に集約し、その「飯」を実らせるための元手を、田畑にまく「種」にたとえたことから、この言い方が定着しました。
同じ発想で「食い扶持」「口を糊する」など、生活の糧を食事にたとえた表現は数多く、「飯の種」もその系譜に連なる言葉の一つです。
使い方・例文
「飯の種」は、生計を立てる手段や、商売のもとになるものを指して使われます。
- 彼にとって、この特技が長年の飯の種になっている。
- 新しい飯の種を探して、副業を始めた。
- 趣味が高じて、とうとう飯の種に変わった。
類義語・関連語
「飯の種」と同じように、生計を立てる手段を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 稼業(かぎょう):
生活のために営んでいる職業。 - 口を糊する(くちをのりする):
やっとの思いで生計を立てること。
「飯の種」と類義語の違い
どちらも生計に関わる言葉ですが、指す範囲に違いがあります。
| 語句 | 指す範囲 |
|---|---|
| 飯の種 (めしのたね) | 収入を生み出す具体的な手段や技術そのもの |
| 稼業 (かぎょう) | 家業として続けている職業全般 |
| 口を糊する (くちをのりする) | どうにか生活を維持している状態 |
英語表現
bread and butter
生計を立てる主要な手段を指す、日常会話でよく使われる表現。
Teaching guitar is his bread and butter.
(ギターを教えることが彼の飯の種だ。)
「飯」に生活の全てを込める日本語の食の比喩
日本語には、「飯」という一語に生活そのものを重ねる表現が数多く残っている。
「飯の食い上げ」は生活の手段を失うこと、「三度の飯より好き」は何よりも熱中していることを表し、いずれも一日の食事を生活の基準として使ってきた名残である。
米が主食として長く生活の中心にあった社会では、食べることと生きることがほぼ同じ意味で語られ、「飯」という言葉一つに労働・収入・生存までが凝縮されていった。
この傾向は英語の「bread」を使った表現(bread and butter、breadwinnerなど)とも重なり、主食を生活の象徴として扱う発想は、洋の東西を問わず共通して見られる。









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