意味
「内股膏薬」とは、定まった考えや主張を持たず、都合しだいであちらこちらに味方を変えることを表す四字熟語です。
そういう態度をとる人自身を指す使い方もあります。
節操のなさをあざける言葉で、ほめる意味では使いません。
- 内股(うちまた):左右のももの内側。
- 膏薬(こうやく):布や紙にのばして患部に貼る、練り薬。
語源・由来
「内股膏薬」は、膏薬の貼り心地から生まれた言い方です。
ももの内側に膏薬を貼ると、歩くたびに左右のももが触れ合います。
そのため膏薬は右のももについたり、左のももについたりして、どちらか一方に落ち着きません。
この落ち着かなさを、意見が定まらず相手によって立場を変える人に重ねたのがこの言葉です。
同じ発想から「二股膏薬」という言い方も生まれ、辞書ではたがいに類語として扱われています。
使い方・例文
「内股膏薬」は、対立する両方にいい顔をする人を評する場面で使われます。
- どちらにも賛成する彼は、社内で内股膏薬と呼ばれている。
- 会議のたびに立場が変わるようでは内股膏薬と言われる。
- 調整役のつもりが、いつのまにか内股膏薬になっていた。
類義語・関連語
「内股膏薬」と同じく、立場を定めない態度を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 二股膏薬(ふたまたごうやく):
両方につきながら、どちらにも決めきれない態度。 - 八方美人(はっぽうびじん):
誰に対しても愛想よくふるまい、角を立てないこと。 - 日和見(ひよりみ):
形勢が決まるまで、どちらにもつかずに様子を見ること。
「内股膏薬」と「八方美人」の違い
どちらもいい顔をする態度を指しますが、相手の数が違います。
「内股膏薬」は対立する二者のあいだを行き来することを指し、「八方美人」は誰に対しても愛想よくふるまうことを指します。
| 語句 | 相手 | 問われるもの |
|---|---|---|
| 内股膏薬 (うちまたこうやく) | 対立する二者 | 節操 |
| 八方美人 (はっぽうびじん) | まわり全員 | 本心の在りか |
対義語
- 首尾一貫(しゅびいっかん):
始めから終わりまで、主張や態度が変わらないこと。
膏薬から生まれた言い回し
膏薬は、練った薬を布や紙にのばして貼る、江戸時代から広く使われた家庭薬です。
体のどこにでも貼れて、しかも簡単にはがれないという性質から、日本語にいくつかの言い回しを残しました。
「理屈と膏薬はどこへでも付く」は、こじつけの理屈ならどんな話にも貼れる、というたとえです。
「内股膏薬」も、貼りついたまま右へ左へ移るという同じ性質を人に当てはめています。









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