三字熟語 故事成語

不夜城

(ふやじょう)

夜も灯火がともり、昼のように明るくにぎわっている場所。特に歓楽街をいう。


5文字の言葉 / 「ふ・ぶ・ぷ」から始まる言葉
不夜城 ことば
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意味

「不夜城(ふやじょう)」とは、日が沈んでも明かりが消えず、昼間さながらのにぎわいを見せる場所を指します。

とくに歓楽街や、深夜まで明かりの消えない大きな建物について使われます。

  • 不夜(ふや):夜にならないこと。夜も明るいこと。
  • 城(じょう):城壁で囲まれた町。

語源・由来

「不夜城」は、中国の漢の時代にあった県の名前がもとになっています。

「不夜」は東莱郡とうらいぐん(今の山東省)にあった県の名で、歴史書『漢書かんじょ』の地理志にも載っています。
『三斉略記』という書物によれば、この地では夜にも太陽が出て明るかったと伝えられ、その地の城が「不夜城」と呼ばれました。
夜にも日が出たという言い伝えを持つ土地の名が、そのまま明るさの例えへ移っていったわけです。

使い方・例文

「不夜城」は、深夜まで明かりとにぎわいが絶えない場所を評する場面で使われます。

  • 駅前の再開発が進み、この一帯は深夜までネオンの消えない不夜城になった。
  • 決算期の経理部は、連日灯りの消えない不夜城と化していた。
  • 川向こうに光る不夜城を、土手からぼんやり眺めた。

読み方と使い方の注意点

「不夜城」は「ふやじょう」と読みます。
「ふやしろ」とは読みません。

また、にぎわいをたたえるだけでなく、深夜まで明かりの消えない職場を皮肉って言うこともあります。

類義語・関連語

「不夜城」と同じように、人の絶えないにぎわいを表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 千客万来(せんきゃくばんらい):
    客がひっきりなしに訪れる商売の盛況。
  • 門前市を成す(もんぜんいちをなす):
    訪れる人が多く、家の前に市が立つほどの人だかり。

「不夜城」と「千客万来」の違い

どちらもにぎわいを表しますが、目を向けている先が違います。
「不夜城」は明かりのついた場所そのものを指し、「千客万来」は訪れる客の多さを指します。

語句指しているもの時間帯
不夜城
(ふやじょう)
明るくにぎわう場所主に夜
千客万来
(せんきゃくばんらい)
客足の多さ問わない
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対義語

「不夜城」とは反対に、人けがなく静まり返った様子を表す言葉があります。

  • 火が消えたよう(ひがきえたよう):
    急に活気がなくなり、ひっそりと寂しくなる様子。
  • 閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく):
    客が来ず、商売がさびれている様子。

英語表現

the city that never sleeps

眠ることのない街、という意味で、夜通し活気のある都市をたたえる言い回し。

Tokyo is truly a city that never sleeps.
(東京はまさに不夜城です。)

ablaze with lights

灯火で燃え立つように明るい、という建物や街の見た目を描く表現。

The office tower was ablaze with lights all night.
(そのオフィスビルは一晩中、不夜城のようでした。)

「不夜城」の明かり、室町は月で明治は電飾

日本での古い用例は、室町時代の公家・三条西実隆さんじょうにしさねたかの歌日記『再昌草さいしょうそう』にある「満目山川不夜城」という句です。
1504年の旧暦8月15日、中秋の名月に照らされて、見渡すかぎりの山も川も夜とは思えないほど明るい、とたたえています。

明治に入ると、小説家の永井荷風ながいかふうが『あめりか物語』(1908年)に「イルミネーションに輝き渡る不夜城」と書いています。

同じ「不夜城」でも、室町の詩句では空の月、明治の小説では人がともした電気の明かりです。
今、歓楽街や夜通し明かりのつくビルを「不夜城」と呼ぶのは、人がともした明かりで夜も明るい、という後のほうの使い方です。

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