三字熟語 故事成語

不夜城

(ふやじょう)

夜も灯火がともり、昼のように明るくにぎわっている場所。特に歓楽街をいう。


5文字の言葉ふ・ぶ・ぷ」から始まる言葉
不夜城 ことば
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意味

「不夜城」とは、日が沈んでも明かりが消えず、昼間さながらのにぎわいを見せる場所を指します。

とくに歓楽街や、深夜まで明かりの消えない大きな建物について使われます。
華やかさをたたえる響きと、眠らない異様さを突き放して見る響きの、両方を含みます。

  • 不夜(ふや):夜にならないこと。夜も明るいこと。
  • (じょう):城壁で囲まれた町。

語源・由来

「不夜城」は、中国の漢の時代に実在したとされる町の名前がもとになっています。

『三斉略記』という書物によれば、東莱郡とうらいぐん(今の山東省)に「不夜」という名の県があり、夜にも太陽が出て明るかったと伝えられます。
そこから、その地の城が「不夜城」と呼ばれました。
日が沈まないという言い伝えを持つ土地の名が、そのまま明るさの例えへ移っていったわけです。

日本では、室町時代の漢詩集『再昌草さいしょうそう』(一五〇四年)に「満目山川不夜城」という句が見え、中秋の月に照らされた山や川の明るさをたたえています。
灯火ではなく月明かりに使われている点が、今の用法との違いです。

使い方・例文

「不夜城」は、深夜まで明かりとにぎわいが絶えない場所を評する場面で使われます。

  • 駅前の再開発が進み、この一帯はすっかり不夜城になった。
  • 決算期の経理部は、連日灯りの消えない不夜城と化していた。
  • 眠らない不夜城を、川向こうの土手からぼんやり眺めた。

読み方と使い方の注意点

「不夜城」は「ふやじょう」と読みます。
「城」を訓で「しろ」と読む形は辞書に見えません。

また、にぎわいをたたえる言葉であると同時に、深夜まで働き続ける職場を皮肉る言い方としても定着しています。
同じ語で評価が正反対になるため、どちらの意味で使っているかが分かる文脈を添えると誤解を招きません。

類義語・関連語

「不夜城」と同じように、人の絶えないにぎわいを表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 千客万来(せんきゃくばんらい):
    客がひっきりなしに訪れる商売の盛況。
  • 門前市を成す(もんぜんいちをなす):
    訪れる人が多く、家の前に市が立つほどの人だかり。
  • 桃源郷(とうげんきょう):
    俗世を離れた、この世のものとは思えない別天地。

「不夜城」と「千客万来」の違い

どちらもにぎわいを表しますが、目を向けている先が違います。
「不夜城」は明かりのついた場所そのものを指し、「千客万来」は訪れる客の多さを指します。

語句指しているもの時間帯
不夜城
(ふやじょう)
明るくにぎわう場所主に夜
千客万来
(せんきゃくばんらい)
客足の多さ問わない

対義語

「不夜城」とは反対に、人けがなく静まり返った様子を表す言葉があります。

  • 閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく):
    客が来ず、商売がさびれている様子。

英語表現

the city that never sleeps

眠ることのない街、という意味で、夜通し活気のある都市をたたえる言い回し。

Shinjuku at midnight is the city that never sleeps.
(真夜中の新宿はまさに不夜城です。)

ablaze with lights

灯火で燃え立つように明るい、という建物や街の見た目を描く表現。

The office tower was ablaze with lights all night.
(そのオフィスビルは一晩中、不夜城のようでした。)

太陽が沈まない町の話

「不夜」という地名は、中国の古い地理書『漢書かんじょ』の地理志にも東莱郡とうらいぐんの県名として挙がっています。
実在の行政区画だった名前が、後の書物で「夜にも日が出た」という言い伝えとともに語られ、明るさの代名詞に変わっていきました。
山東半島は中国の東の端にあたり、日の出をいち早く迎える土地です。
日が早く昇る場所という実感が、地名の由来として語られる話に重なっていったと考えられています。

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