意味
「千両役者(せんりょうやくしゃ)」とは、腕前でも人気でも群を抜いている、一流の人を指します。
もとは歌舞伎の世界で、飛び抜けて高い給金を得た人気役者を指す言葉でした。
今は俳優に限らず、スポーツや仕事の場で並外れた活躍を見せる人をたたえるときにも使います。
語源・由来
江戸時代の歌舞伎役者は、11月から始まる1年契約で劇場と専属の約束を結びました。
この1年間の給金が千両という桁外れの額に達した役者が、千両役者と呼ばれました。
正徳・享保期(1711〜1736年ごろ)に、上方の初代芳沢あやめや、江戸の二代目市川團十郎が最初の千両役者とされています。
その後は千両を超える給金を得る役者も現れましたが、呼び名としての「千両役者」はそのまま最高格の役者を指す言葉として定着しました。
使い方・例文
- 土壇場で決勝点を決めた彼は、まさに千両役者だ。
- 交渉が決裂しかけた場を収めたのは、千両役者の一言だった。
- あの監督は現場を任せられる千両役者ばかりを集めている。
類義語・関連語
この言葉と同じように、並外れた実力者を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 大立者(おおだてもの):
ある分野で重きをなす、実力のある人物。 - 逸材(いつざい):
飛び抜けて優れた才能を持つ人物。
「千両役者」と類義語の違い
どれも優れた人物をたたえる言葉ですが、評価の軸が異なります。
| 語句 | 評価の軸 |
|---|---|
| 千両役者 (せんりょうやくしゃ) | 人を引きつける、際立った活躍そのもの |
| 大立者 (おおだてもの) | 組織や分野の中で占める重み |
| 逸材 (いつざい) | 人並み以上に優れた才能そのもの |
英語表現
英語では、次のような言い方でこの人物像を表します。
star player
チームや組織の中で、特に目立った活躍をする中心人物を指す言い方。
He has been the star player of this team for years.
(彼は何年もこのチームの千両役者です。)
crowd-puller
人を引き寄せる力を持つ、人気の中心人物を指す言い方。
The new signing turned out to be a real crowd-puller.
(新加入の選手は、本物の千両役者だと分かりました。)
千両は大工の日当で約4億円
江戸時代の1両は、何を基準に換算するかで大きく価値が変わります。
18世紀の1両は、米の価格で見るとおよそ8万円、大工を雇う賃金で見るとおよそ40万円になり、数倍の開きが出ます。
1両で大工をおよそ23人、1日雇えたという当時の事例をもとに今の大工の日当で換算すると、千両はおよそ4億円で、2万3千人分の日当にあたります。










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