ことわざ

月に暈がかかると雨

(つきにかさがかかるとあめ)

月の光が輪の形に見えると、まもなく雨が降る前兆だという意味。

異形:月にかさがかかると雨

12文字の言葉 / 「つ・づ」から始まる言葉
月に暈がかかると雨 ことば
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意味

「月に暈がかかると雨(つきにかさがかかるとあめ)」とは、月の周りに光の輪(暈かさ)が見えると、まもなく雨が降る前触れだという意味です。
太陽にできる暈かさも同じく雨の前触れとされ、どちらも観天望気の一つです。
こうした天気の言い伝えは「天気のことわざ」や「天気俚諺りげん」(= 天気に関することわざ)とも呼ばれます。

語源・由来

月や太陽の周りに光の輪が見える現象は、日本では古くから日暈ひがさや月暈つきがさと呼ばれ、天気を見分ける手がかりとして扱われてきました。
明治9年(1876年)に刊行された物理の教科書『物理階梯』には「日月暈、蜃気楼」という課があり、暈かさという現象そのものが早くから理科の知識として教えられていたことがわかります。

天気を占う言い伝えとしては、昭和9年(1934年)に千葉県銚子測候所がまとめた『気候便覧』に「日笠、月笠は雨の兆」という記述が登場し、翌年刊行の『少年団健児教本』にも観天望気法の一つとして「月が暈を被ると雨」という言葉が載っています。
測候所の記録だけでなく、青少年向けの教本でも空を観察する知恵として紹介されていたことになります。

月のまわりにできた光の輪
月の暈

月に暈かさができる仕組み

月の暈かさは、上空1万メートル近くに広がる巻層雲(= 薄く空を覆う氷の雲)の中を月の光が通るときに、無数の氷の粒によって屈折して起こる現象です。
気象庁は暈かさについて、氷晶(= 細かい氷の粒)からなる上層雲が現れたときに、太陽や月の周りにできる光の輪のことだと説明しています。
巻層雲は、低気圧の温暖前線が近づく前触れとして空に広がることが多い雲で、暈かさが見えたあとに雲の量が増えて天気が下り坂に向かう傾向があるとされています。

使い方・例文

例文

  • 「月に暈がかかると雨」というし、明日は傘の準備をしておこう。
  • 祖母は月に暈がかかると雨だと言って、必ず洗濯物を早く取り込む。
  • 夜空を見上げ「月に暈がかかると雨か」とつぶやき、傘立てを確認した。
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類義語・関連語

空を見て天気を読む観天望気には、この言葉と似た仕組みのものが他にもあります。

  • 山に笠雲がかかると雨(やまにかさぐもがかかるとあめ):
    山の頂上に雲がかかると、天気が崩れるとする言い伝え。
  • 星が瞬くと風か雨(ほしがまたたくとかぜかあめ):
    星の光が瞬いて見えると、風や雨が近いとする言い伝え。
  • 飛行機雲が消え残ると雨(ひこうきぐもがきえのこるとあめ):
    飛行機雲が消えずに残ると、雨が近いとする言い伝え。

天気にまつわる言い伝えは、以下の記事にもまとめています。

英語表現

Ring around the moon, rain soon

月の周りに光の輪ができると雨が近いとする、英語圏の天気のことわざ。
氷の粒でできた薄い雲を光が通るときにできる、日本の「月の暈かさ」と同じ輪を指している。

Grandma always says, ring around the moon, rain soon.
(おばあちゃんはいつも、月に輪ができたら雨が近いと言う。)

月の暈かさと天気を結びつける話は2300年前からあった

月や太陽に暈かさがかかると天気が崩れるという言い伝えは、日本だけのものではありません。
古代ギリシャの哲学者テオプラストスが残した天候に関する記録には、太陽の暈かさのそばに幻日(= 太陽の横に見えるもう一つの光の像)が2つ現れると、まもなく雨が降るという趣旨の記述が登場します。
イギリスのリチャード・インワーズが1869年に発表した天気ことわざ集『Weather Lore』にも、月の周りに暈かさが現れるのは雨の兆しだとする一節があり、19世紀のイギリスにも同じ言い伝えがあったことがわかります。
氷の粒でできた雲が光を屈折させるという、地球上どこでも起こりうる自然現象が、遠く離れた地域でそれぞれ同じように言い伝えとして残ってきたことになります。

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