優れた能力を持ちながらそれを隠す人、幼くして才能を発揮する人、平凡な中から傑出する人――「才能」をめぐる人間模様は実に多様です。
日本語には、才能の現れ方、活かし方、時には妬まれ方まで、才能にまつわる様々な側面を表現した言葉が数多くあります。
ここでは、才能に関することわざ、慣用句、四字熟語、故事成語を紹介します。
「才能」に関連する言葉
「才能」というテーマに関連する、主なことわざや慣用句、四字熟語などを紹介します。
ことわざ
- 能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす):
実力や才能のある者は、それを軽々しく見せつけたりしないことのたとえ。真の実力者は謙虚であるという教え。 - 栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし):
大成する人は、幼い時から優れた才能を発揮することのたとえ。栴檀の木は芽生えの頃から良い香りを放つことから。 - 鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ):
平凡な親から、非常に優れた才能を持つ子供が生まれることのたとえ。 - 宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ):
優れた才能や価値あるものを持っていながら、それを活かせずにいることのたとえ。 - 瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる):
優れた才能を持つ者は、どこにいても自然とその価値が認められるということ。 - 出る杭は打たれる(でるくいはうたれる):
優れた才能や手腕を持ち目立つ者は、他人から妬まれたり妨害されたりすることのたとえ。 - 掃き溜めに鶴(はきだめにつる):
平凡な環境や、むさくるしい場所から、優れた才能を持つ人が現れることのたとえ。
慣用句
- 頭角を現す(とうかくをあらわす):
才能や実力が、周囲の人々より抜きん出て目立つようになること。 - 才能に溢れる(さいのうにあふれる):
優れた才能が豊かに備わっているさま。 - 才能を開花させる(さいのうをかいかさせる):
持っている才能が発揮され、成果として現れること。 - 才能をひけらかす(さいのうをひけらかす):
自分の才能をわざと人に見せびらかすこと。 - 才能の無駄遣い(さいのうのむだづかい):
優れた才能を、価値のないことや取るに足らないことに使うこと。 - 才能を見出す(さいのうをみいだす):
隠れている才能や能力を発見すること。 - 腕が鳴る(うでがなる):
自分の才能や実力を発揮したくて、うずうずしているさま。 - 一目置く(いちもくおく):
相手の才能や実力を自分より上だと認め、敬意を払うこと。
四字熟語
- 多芸多才(たげいたさい):
多くの方面にわたる才能や技術を持っていること。 - 異能異才(いのういさい):
人並み外れた変わった才能。また、その持ち主のこと。 - 大器晩成(たいきばんせい):
大きな器は完成までに時間がかかるように、真に偉大な人物は大成するのが遅いということ。才能の開花には時間がかかる場合もあるという教え。 - 才気煥発(さいきかんぱつ):
優れた才知が外にあふれ出ているさま。生き生きとした才能が輝いている様子。 - 才色兼備(さいしょくけんび):
優れた才能と美しい容姿の両方を備えていること。主に女性について用いられる。
故事成語
- 鶏鳴狗盗(けいめいくとう):
鶏の鳴き真似や犬のように忍び込むことなど、つまらない才能でも、時と場合によっては役に立つことがあるというたとえ。中国戦国時代の故事から。 - 嚢中の錐(のうちゅうのきり):
袋の中の錐の先が自然と外に突き出るように、優れた才能を持つ人は、隠そうとしても自然と周囲に知られるということ。 - 驥尾に付す(きびにつす):
優れた才能を持つ人の後に従っていれば、自分も何らかの成果を上げられることのたとえ。名馬の尾につけば速く走れる意から。 - 刮目相待(かつもくそうたい):
人の才能や学識が著しい進歩を遂げること。また、その進歩に驚き、改めてその人を見直すこと。目をこすって見直す意から。 - 和光同塵(わこうどうじん):
自分の優れた才能や徳を隠し、俗世間に交じって目立たないようにすること。老子の思想から。 - 江郎才尽(こうろうさいじん):
かつては非凡な才能があったが、今はすっかり尽きて平凡になってしまったこと。中国南朝の文人・江淹の故事から。 - 八斗の才(はっとのさい):
非常に優れた文学的才能のこと。この世の才能の八割を持つという意味から。
その他の言葉
- 鬼才(きさい):
人間とは思えないほど優れた、非凡な才能。また、その持ち主のこと。 - 英才(えいさい):
特に優れた才能。また、その持ち主のこと。 - 天才(てんさい):
生まれつき備わった、並外れて優れた才能。また、その持ち主のこと。
まとめ – 才能に関連する言葉が教えてくれること
才能をめぐる言葉には、大きく三つの視点があります。
- 「才能の現れ方」
早くから開花する人(「栴檀は双葉より芳し」)もいれば、遅咲きの人(「大器晩成」)もいる。
隠しても現れる(「嚢中の錐」)こともあれば、意図的に隠す(「能ある鷹は爪を隠す」)こともある。
才能の姿は実に多様です。 - 「才能との付き合い方」
活かすべきか(「宝の持ち腐れ」への戒め)、謙虚であるべきか(「能ある鷹は爪を隠す」)。
そして才能ある者は妬まれることもある(「出る杭は打たれる」)という現実も示されています。 - 「才能の多様性」
どんな小さな才能も役立つことがある(「鶏鳴狗盗」)という、柔軟な才能観です。
これらの言葉は、才能を持つ人、育てる人、評価する人、それぞれの立場に示唆を与えてくれます。









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