意味
「痒い所に手が届く(かゆいところにてがとどく)」とは、細かいところにまで気配りが行き届き、相手が求めていることを的確に満たしてくれるという意味です。
言われなくても気づいてもらえる、痛快なまでの配慮の細やかさへの感嘆が込められた言葉です。
- 痒い所(かゆいところ):自分では手が届きにくい部分。
- 手が届く(てがとどく):望みが十分に満たされること。
語源・由来
痒い所に手が届くは、自分では容易にかけない背中などのかゆみを、誰かが的確にかいてくれる心地よさを、行き届いた配慮の比喩として使った表現です。
江戸時代の浮世草子『風流曲三味線』にすでにこの言い回しが見られ、古くから庶民の間で使われていたことがうかがえます。
長い爪を持つ仙女麻姑が痒い所を掻いてくれるという中国の伝説「麻姑掻痒」が、この言い回しの背景にあるという説もあります。
使い方・例文
痒い所に手が届くは、細部への配慮が行き届き、求めていたことをまさに満たしてくれた場面で使われます。
- あのホテルのサービスは、まさに痒い所に手が届くもてなしだった。
- この機能があれば、痒い所に手が届くサポートが実現できる。
- 先輩の指導は痒い所に手が届くアドバイスばかりで助かる。
類義語・関連語
痒い所に手が届くと同様に、行き届いた配慮を表す言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
attentive to every detail
「細部まで気配りが行き届いた」という意味の表現で、痒い所に手が届くようなきめ細かな対応を伝える際に使われるフレーズ。
Their customer service is attentive to every detail.
(あの会社のカスタマーサービスは痒い所に手が届く。)
hit the spot
「まさに求めていたものにぴったり合う」という意味のくだけた表現で、望んでいたことがちょうど満たされた際に使われるフレーズ。
This new feature really hits the spot.
(この新機能はまさに痒い所に手が届くね。)
「孫の手」は、孫の手ではなかった
「痒い所に手が届く」という表現とともによく連想される道具に「孫の手」があります。
中国の西晋時代の書『神仙伝』には、爪を長く伸ばした仙女・麻姑(まこ)が登場します。
その長い爪でかゆい所を掻いてもらったら気持ちいいだろう、と後漢の蔡経が口にして叱られたという逸話が伝えられており、この「麻姑の手」が訛って「孫の手」と呼ばれるようになったとされています。
孫に背中を掻いてもらう情景から名付けられたと思われがちですが、その名の由来は中国の伝説に登場する仙女の手にさかのぼるとされています。












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