「誠心誠意」「温厚篤実」「一諾千金」など、誠実さや真心を表す四字熟語とことわざを集めました。
四字熟語は「真心を尽くす」「嘘がない」「やましさがない・公正」「約束を守る」「誠実な人柄」の5つに分け、ことわざとあわせて読みと意味つきで紹介します。
最後に、誠実の意味で選ぶと注意が要る言葉もまとめています。
もくじ
真心・誠意を尽くすことを表す四字熟語
- 誠心誠意(せいしんせいい):
偽りのない真心で、相手や物事に向き合うこと。
「誠心誠意努めます」のように副詞としても使う。 - 懇切丁寧(こんせつていねい):
細かなところまで行き届いて親切な様子。 - 開心見誠(かいしんけんせい):
心の内を開いて、誠意をもって人に接すること。
「心を開いて誠を見す」と読み下す。 - 貧者一灯(ひんじゃのいっとう):
真心のこもった行いは尊いというたとえ。
「長者の万灯より貧者の一灯」を縮めた形。金持ちが神仏に供える一万の明かりより、貧しい人が苦しい中から供える一つの明かりのほうが尊いという意味。 - 三顧之礼(さんこのれい):
礼を尽くし、真心をこめて優れた人物を迎えること。
中国の三国時代、劉備が、隠れ住んでいた諸葛亮のもとを三度訪ね、ようやく会えて軍師に迎えた故事から。「三顧の礼」「草廬三顧」ともいう。 - 一寸丹心(いっすんのたんしん):
いつわりのない真心。自分の真心をへりくだっていう語。
「丹心」は真心のこと。 - 懇到切至(こんとうせっし):
すみずみまで心が行き届き、このうえなく親切なこと。また、心を尽くして相手によく言い聞かせること。 - 碧血丹心(へきけつたんしん):
この上ない真心。また、この上ない忠誠心。
「碧血」は忠誠を尽くして流した血、「丹心」は真心のこと。 - 螻蟻之誠(ろうぎのせい):
取るに足りない者のささやかな誠意。自分の誠意をへりくだっていう。
ケラやアリのような小さな生き物の誠意という意味から。 - 肺腑之言(はいふのげん):
心の奥底から出た、誠意のこもった言葉。
「肺腑」は心の奥底のこと。 - 鞠躬尽瘁(きくきゅうじんすい):
身も心もささげて、力の限り骨を折ること。命が尽きるまで国のために力を尽くすこともいう。
「鞠躬」は身をかがめて敬いつつしむこと。
嘘がない・正直であることを表す四字熟語
- 言行一致(げんこういっち):
口で言うことと行動とに矛盾がないこと。 - 真実一路(しんじついちろ):
どこまでも真実を求めて、ひたすらに生きていくこと。
小説家の山本有三の長編小説の題名にもなっている。 - 巧偽拙誠(こうぎせっせい):
巧みに偽りごまかすより、つたなくても誠意があるほうがよいということ。
中国の思想書『韓非子』にある「巧偽は拙誠に如かず」から。 - 純一無雑(じゅんいつむざつ):
まじりけがないさま。また、いちずでうそ偽りのないさま。 - 真実無妄(しんじつむもう):
うそ偽りがなく、本当であること。
「無妄」はいつわらない、だまさないという意味。
心にやましさがない・公正であることを表す四字熟語
- 公明正大(こうめいせいだい):
私心をまじえず公平で、良心に恥じない正しいさま。 - 青天白日(せいてんはくじつ):
心にやましいところが少しもないさま。また、疑いが晴れて無実がはっきりすること。
もとは、よく晴れ渡った空と輝く太陽のこと。 - 公平無私(こうへいむし):
公平で、個人的な感情や利益を交えないこと。 - 心地光明(しんちこうめい):
心が清らかで正しく、度量が広いさま。私心がまったくないこと。
約束を守る・信義に厚いことを表す四字熟語
- 一諾千金(いちだくせんきん):
一度引き受けたことには、千金にも換えられない重みがあるということ。約束は必ず守るべきだというたとえ。
『史記』に、漢の武将季布の一度の承諾は黄金百斤を得るのにまさる、とある故事から(「千金」は大金のたとえ)。「季布の一諾」「季布一諾」ともいう。 - 有言実行(ゆうげんじっこう):
言ったことは必ず実行すること。
「不言実行」をもじって作られた言葉。 - 徙木之信(しぼくのしん):
約束を確実に実行して得る信用。また、政治を行う者は法の権威と信用を人民に示すべきだという戒め。
中国の秦の政治家商鞅が、都の南門の木を北門へ移した者に約束どおり賞金を与え、法令がうそでないことを示した故事から。 - 朋友有信(ほうゆうゆうしん):
友人どうしの間では、互いの信頼が大切だという教え。
儒教の書物『孟子』にある言葉で、「朋友信有り」と読み下す。 - 信誓旦旦(しんせいたんたん):
心の底から、真心をこめて誓うこと。
「旦旦」は真心のこもったさま。出典は古代中国の詩集『詩経』。
誠実な人柄を表す四字熟語
- 温厚篤実(おんこうとくじつ):
穏やかでまじめな性質。人当たりがやわらかく、誠実なさま。 - 謹厳実直(きんげんじっちょく):
つつしみ深く、まじめで正直である様子。 - 温柔敦厚(おんじゅうとんこう):
穏やかでやさしく、人情に厚く誠実な人柄。 - 剛毅朴訥(ごうきぼくとつ):
意志が強くくじけず、口数が少なく飾り気がないさま。
孔子が、意志が強く飾り気のない人を理想の徳に近いとほめた『論語』の言葉から。「剛毅木訥」とも書く。 - 去華就実(きょかしゅうじつ):
外見を飾り立てるのをやめ、中身を重んじる態度をとること。 - 一片氷心(いっぺんのひょうしん):
名誉や利益を求めず、清く澄みきった心。
ひとかけらの氷のように清らかな心という意味から。 - 一徹無垢(いってつむく):
ひとすじに思い込み、純粋なさま。
誠実・正直を表すことわざ
- 正直の頭に神宿る(しょうじきのこうべにかみやどる):
正直な人には、必ず神の助けがあるということ。 - 正直は一生の宝(しょうじきはいっしょうのたから):
正直であることは、一生を通じて大切に守るべき宝だという教え。 - 至誠天に通ず(しせいてんにつうず):
まごころをもって事に当たれば、よい結果がもたらされるということ。 - 仰いで天に愧じず(あおいでてんにはじず):
心に少しもやましいところがない様子。
儒教の書物『孟子』にある言葉。「俯仰天地に愧じず」ともいう。 - 内に誠あれば外に形る(うちにまことあればそとにあらわる):
心の中に誠意があれば、自然と言葉や行いに現れるということ。
儒教の経典『大学』にある言葉。 - 気は心(きはこころ):
量や額はわずかでも、真心の一端を表すものだという意味。
贈り物をするときなどにいう。
誠実の意味で使うと注意が要る言葉
悪い意味を含んでいたり、誠実さとは別のことを言っていたりして、人柄をほめるのには向かない言葉です。
- 滅私奉公(めっしほうこう):
私心を捨てて、公のために尽くすこと。
第二次世界大戦中に、国民の心がけとして標語にされた言葉。人に対する誠実さを表す語ではない。 - 尾生之信(びせいのしん):
かたく約束を守り通すこと。また、ばか正直で融通がきかないことのたとえ。
中国の春秋時代、尾生という男が橋の下で女性を待ち続け、大水になっても去らずにおぼれ死んだという故事から。約束を守る人に使うつもりでも、融通のきかない人という意味に取られかねない。 - 馬鹿正直(ばかしょうじき):
正直すぎて融通がきかないこと。
人に向けると悪口になる。 - 正直者が馬鹿を見る(しょうじきものがばかをみる):
悪賢い者がうまく立ち回って得をし、正直な者がかえって損をするということ。
正しいことが通らない世の中を皮肉る言葉。 - 正直一遍(しょうじきいっぺん):
ただ正直であるだけで、ほかにすぐれた才能や働きがないこと。
人柄をほめるつもりで使うと、正直のほかに取り柄がないという意味になる。





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