【保存版】スペインの有名なことわざ30選|意味・使い方・文化的背景を解説

スペインの有名なことわざ 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語
スポンサーリンク

スペインのことわざ(Refranes)は、情熱的で人生の喜びや悲しみ、日々の知恵を映し出しています。
長い歴史、多様な文化、人間味あふれるスペインの人々の暮らしがその言葉に息づいています。

この記事では、スペインで広く親しまれ、人々の会話に彩りを添える有名なことわざを紹介します。
それぞれの意味や使い方、類似する日本のことわざ、そしてスペインならではの歴史や文化、国民性が感じられる背景を解説します。

人生・運命・知恵についてのことわざ

人生の浮き沈みや経験から得られる教訓、運命との向き合い方を示すことわざ。

百聞は一見に如かず、経験に勝る知識なし

Más sabe el diablo por viejo que por diablo.

  • 日本語訳:
    悪魔が物知りなのは、悪魔だからではなく年寄りだからだ。
  • 日本のことわざ:
    亀の甲より年の功 / 百聞は一見に如かず
  • 意味:
    知識や知恵は、肩書きや立場よりも、長年の経験によって培われるものである。
  • 使い方:
    年長者の経験や知識を尊重する場面や、経験の重要性を説く時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    経験から得られる実践的な知恵を重視する考え方を示しています。
    「悪魔」という言葉を使うところに、少し皮肉めいたユーモアも感じられます。

終わりなき不幸はない

No hay mal que dure cien años, ni cuerpo que lo resista.

  • 日本語訳:
    100年続く悪(不幸)はなく、それに耐えられる体もない。
  • 日本のことわざ:
    明けない夜はない / やまない雨はない
  • 意味:
    どんなに辛い状況や不幸も永遠には続かないし、人間がそれに耐え続けることもできない。必ず終わりが来る。
  • 使い方:
    困難な状況にある人を慰め、希望を持たせるために使われます。
    物事の移り変わりや、人間の限界を示す言葉でもあります。
  • 由来/文化的背景:
    人生の苦難に対するある種の達観や時間の経過による変化への信頼がうかがえます。

過去は水に流せ

Agua pasada no mueve molino.

  • 日本語訳:
    過ぎた水は水車を動かさない。
  • 日本のことわざ:
    覆水盆に返らず / 過去は水に流す
  • 意味:
    過去の出来事はもう変えられないし、現在の役には立たない。過去に囚われず、前を向くべきだ。
  • 使い方:
    終わったことをいつまでも悔やんだり、引きずったりしている人に対して、気持ちを切り替えるように促す時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    過去への執着を戒め、現在や未来に目を向けることの重要性を示す実用的な教訓です。

経験は学問の母

La experiencia es la madre de la ciencia.

  • 日本語訳:
    経験は知識(学問)の母である。
  • 日本のことわざ:
    習うより慣れろ / 経験に勝る師なし
  • 意味:
    知識や学問は、実際の経験を通してこそ深く理解され、発展していくものである。
  • 使い方:
    座学だけでなく、実践的な経験や体験から学ぶことの重要性を強調する時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    セルバンテスの『ドン・キホーテ』にも登場する言葉。
    理論だけでなく、実践的な経験知を重んじる考え方を示しています。

備えあれば憂いなし

Hombre prevenido vale por dos.

  • 日本語訳:
    準備のできた一人の男は、二人の価値がある。
  • 日本のことわざ:
    備えあれば憂いなし / 転ばぬ先の杖
  • 意味:
    事前にしっかりと準備をしておけば、いざという時に二人分の働きができるほど有利になる。
  • 使い方:
    事前の準備や計画、用心の大切さを説く時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    慎重さや計画性を奨励することわざ。予期せぬ事態に備えることの重要性を示しています。

賢者は過ちを改める

Rectificar es de sabios.

  • 日本語訳:
    修正すること(過ちを改めること)は賢者のすることだ。
  • 日本のことわざ:
    過ちては改むるに憚ること勿れ
  • 意味:
    自分の間違いを認め、それを正すことは、愚かなことではなく、むしろ賢明な態度である。
  • 使い方:
    間違いを犯した人を励ます時や、過ちを素直に認めて修正する姿勢を称賛する時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    誤りを認める勇気と、そこから学ぶことの重要性を示す、知的な謙虚さを促す言葉です。

好みは人それぞれ

Sobre gustos no hay nada escrito.

  • 日本語訳:
    好みについては何も書かれていない。(=決まったルールはない)
  • 日本のことわざ:
    蓼食う虫も好き好き / 十人十色
  • 意味:
    人の好みや趣味は様々であり、どれが正しくてどれが間違っているという基準はない。
  • 使い方:
    個人の好みや価値観の違いを認め、尊重する場面で使われます。
    議論しても仕方のない、主観的な事柄について言うこともあります。
  • 由来/文化的背景:
    個人の主観や多様性を認める寛容さを示すことわざです。

時間・機会・行動についてのことわざ

タイミングを逃さず行動することや、言葉と行動の関係についての教訓です。

明日できることを今日するな?(スペイン版は逆)

No dejes para mañana lo que puedas hacer hoy.

  • 日本語訳:
    今日できることを明日に残すな。
  • 日本のことわざ:
    今日の一針、明日の十針 / 思い立ったが吉日
  • 意味:
    やるべきことは先延ばしにせず、すぐに取りかかるべきだ。
  • 使い方:
    先延ばしを戒め、迅速な行動を促す時によく使われます。
  • 由来/文化的背景:
    時間を有効に使うこと、やるべきことを着実にこなすことの重要性を示す実用的な教訓です。

油断大敵、好機を逃すな

Camarón que se duerme, se lo lleva la corriente.

  • 日本語訳:
    眠っているエビは、流れに持っていかれる。
  • 日本のことわざ:
    油断大敵 / 好機逸すべからず
  • 意味:
    注意を怠ったり、行動が遅れたりすると、良い機会を逃したり、
    悪い状況に陥ったりする。
  • 使い方:
    常に注意深く、機敏に行動することの重要性を説く時に使われます。特に競争が激しい状況などで使われます。
  • 由来/文化的背景:
    海の幸に恵まれたスペインらしい、生き生きとした比喩表現。
    チャンスを逃さないための警戒心と行動力を促します。

言うは易く行うは難し

Del dicho al hecho hay mucho trecho.

  • 日本語訳:
    言うことから行うことまでには、長い道のりがある。
  • 日本のことわざ:
    言うは易く行うは難し
  • 意味:
    言葉で計画や目標を語るのは簡単だが、それを実際に成し遂げるのははるかに困難である。
  • 使い方:
    計画と実行の間のギャップや行動の難しさを指摘する時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    口先だけでなく、実際の行動や結果を重視する現実的な視点を示しています。

要求しなければ得られない

El que no llora, no mama.

  • 日本語訳:
    泣かない者は、おっぱいをもらえない。
  • 意味:
    自分の欲求や必要性を声に出して主張しなければ望むものを手に入れることはできない。
  • 使い方:
    控えめすぎたり、遠慮しすぎたりする人に対して、もっと積極的に自己主張するように促す時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    赤ん坊が泣くことで欲求を伝える様子に例えた、非常に直接的で分かりやすい表現。
    自己主張の重要性を示唆しています。

人間関係・社会・真実についてのことわざ

人との付き合い方、社会の現実、そして真実の見極めに関する洞察です。

朱に交われば赤くなる

Dime con quién andas y te diré quién eres.

  • 日本語訳:
    あなたが誰と歩いているか教えてくれれば、あなたが誰であるか教えよう。
  • 日本のことわざ:
    類は友を呼ぶ / 朱に交われば赤くなる
  • 意味:
    人は付き合っている友人や仲間によって、その人となりを知ることができる。
    交友関係はその人を映し出す鏡である。
  • 使い方:
    友人選びの重要性や、周囲の環境が人に与える影響について語る時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    人間関係や社会的なつながりを重視するスペイン文化を反映しています。

見ぬが花、知らぬが仏

Ojos que no ven, corazón que no siente.

  • 日本語訳:
    見ない目には、感じない心。
  • 日本のことわざ:
    見ぬが花 / 知らぬが仏 / 去る者は日々に疎し
  • 意味:
    知らないこと、直接見ていないことは、心の痛みや苦しみを引き起こさない。
  • 使い方:
    知りたくない事実や、見たら辛くなることから距離を置く状況で使われます。
  • 由来/文化的背景:
    物理的、心理的な距離が感情に与える影響についての普遍的な洞察です。

口は災いの元

En boca cerrada no entran moscas.

  • 日本語訳:
    閉じた口にはハエは入らない。
  • 日本のことわざ:
    口は災いの元 / 沈黙は金
  • 意味:
    余計なことを話さなければ、トラブルに巻き込まれたり、不利益を被ったりすることはない。黙っている方が安全な場合がある。
  • 使い方:
    不用意な発言を戒める時や、沈黙や慎重さの重要性を説く時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    言葉が引き起こす可能性のある問題への警戒心を示す、実用的な教訓です。

郷に入っては郷に従え

Donde fueres, haz lo que vieres.

  • 日本語訳:
    どこへ行っても、あなたが見ることをしなさい。
  • 日本のことわざ:
    郷に入っては郷に従え
  • 意味:
    訪れた土地や新しい環境では、そこの習慣ややり方に合わせるのが賢明である。
  • 使い方:
    他の文化や習慣への適応の重要性を説く時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    英語の「When in Rome, do as the Romans do.」と同様の考え方。多様な文化と接してきたスペインの歴史も背景にあるかもしれません。

壁に耳あり障子に目あり

Las paredes oyen.

  • 日本語訳:
    壁は聞いている。(壁には耳がある)
  • 日本のことわざ:
    壁に耳あり障子に目あり
  • 意味:
    秘密の話は、どこで誰が聞いているかわからないので注意が必要だ。
  • 使い方:
    秘密を守ることの難しさや、不用意な発言への注意を促す時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    情報が漏れることへの警戒心を示す、世界中で見られることわざです。

安物買いの銭失い

Lo barato sale caro.

  • 日本語訳:
    安いものは高くつく。
  • 日本のことわざ:
    安物買いの銭失い
  • 意味:
    値段が安いものは品質が悪く、すぐに壊れたり修理が必要になったりして、結局は高くつくことが多い。
  • 使い方:
    目先の安さだけで物を選ばず、品質や長期的なコストを考えることの重要性を説く時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    価格と品質の関係についての、経験に基づいた実用的な教訓です。

万人の好みに合う雨はない

Nunca llueve a gusto de todos.

  • 日本語訳:
    すべての人の好みに合わせて雨が降ることは決してない。
  • 意味:
    すべての人を同時に満足させることは不可能である。
    ある人にとって良いことでも、別の人にとっては都合が悪いことがある。
  • 使い方:
    全員の意見が一致しない状況や何か決定を下した際に不満を持つ人がいるのは仕方がない、と説明する時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    多様な意見や利害が存在する社会の現実を示しています。全員一致の難しさへの諦観も含まれます。

金がものを言う

Poderoso caballero es don Dinero.

  • 日本語訳:
    ドン・ディネロ(お金様)は力強い紳士である。
  • 意味:
    お金は非常に大きな力や影響力を持っている。
  • 使い方:
    金銭の持つ社会的な力や影響力を、時に皮肉や批判を込めて表現する際に使われます。
    「ドン」は貴族などへの敬称。
  • 由来/文化的背景:
    中世スペインの詩人フランシスコ・デ・ケベードの詩に由来するとも言われる有名な表現。
    拝金主義への風刺としても解釈されます。

家族・愛についてのことわざ

家族の絆や人間関係の機微を表すことわざです。

この親にしてこの子あり

De tal palo, tal astilla.

  • 日本語訳:
    そのような棒から、そのような木片(破片)。
  • 日本のことわざ:
    蛙の子は蛙 / この親にしてこの子あり
  • 意味:
    子供は親の性格や才能、あるいは欠点を受け継ぐものだ。
  • 使い方:
    親子間の類似性を指摘する時によく使われます。
  • 由来/文化的背景:
    家族の強い結びつきや、血縁による影響を自然の摂理に例えた表現です。

恩を仇で返す

Cría cuervos y te sacarán los ojos.

  • 日本語訳:
    カラスを育ててごらん、そうすれば彼らはあなたの目をえぐるだろう。
  • 日本のことわざ:
    恩を仇で返す / 飼い犬に手を噛まれる
  • 意味:
    親切にした相手から、ひどい裏切りや仕打ちを受けることがある。恩知らずな行為への警告。
  • 使い方:
    親切が報われなかった時や、裏切られた時の失望や怒りを表現する際に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    人間の不実さや、親切が必ずしも報われるとは限らないという厳しい現実を示す強い表現のことわざです。

食・飲み物についてのことわざ

食べることの喜びや、生活の基本に関する表現です。

腹が満ちれば心も満足

Barriga llena, corazón contento.

  • 日本語訳:
    満たされたお腹、満足した心。
  • 日本のことわざ:
    衣食足りて礼節を知る(少しニュアンスは違うが、満たされることの重要性)
  • 意味:
    お腹がいっぱいになれば、自然と心も満たされ幸せな気分になる。
  • 使い方:
    美味しい食事を楽しんだ後の満足感を表現する時や基本的な欲求が満たされることの重要性を示す時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    食を楽しみ、人生を謳歌するスペインの文化を反映した、シンプルで陽気なことわざです。

パンとワインがあれば道は進める

Con pan y vino se anda el camino.

  • 日本語訳:
    パンとワインがあれば、道は歩いていける。
  • 意味:
    生きていく上で最低限必要なもの(パンとワイン=基本的な食料)があれば、人生の困難な道のりもなんとか進んでいける。
  • 使い方:
    質素な生活の中の充足感や基本的なものが満たされていることへの感謝を示す時、あるいは困難な状況でも最低限の支えがあれば大丈夫と励ます時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    パンとワインが伝統的な主食であったスペインの食文化を背景にした、素朴ながらも力強い人生への肯定が感じられる言葉です。

その他のドイツのことわざ

人は見かけによらぬもの

El hábito no hace al monje.

  • 日本語訳:
    修道服は修道士を作らない。
  • 日本のことわざ:
    人は見かけによらぬもの / 馬子にも衣装
  • 意味:
    外見や服装だけで、その人の本質や能力を判断することはできない。
  • 使い方:
    外見と内面の違いを指摘する際によく使われます。
  • 由来/文化的背景:
    外見に惑わされず、人の内面を見ることの重要性を説く、ヨーロッパ共通の教訓です。

感謝して受け取ろう

A caballo regalado no le mires el dentado.

  • 日本語訳:
    贈り物としてもらった馬の歯(歯並び=年齢や健康状態)を見るな。
  • 日本のことわざ:
    (近い意味で)ただより高いものはない(贈り物には裏があるかもしれない、という警戒心) /
    貰う物は夏も小袖
  • 意味:
    贈り物に対して、あれこれと欠点を探したり、文句を言ったりすべきではない。
    感謝して受け取るべきだ。
  • 使い方:
    もらい物に対して不満を言う人への戒めや、贈り物をありがたく頂戴する際のマナーとして使われます。
  • 由来/文化的背景:
    馬の年齢や健康状態を歯で判断する習慣から来ています。贈り物への感謝の気持ちを促すことわざです。

欲張ると損をする

La avaricia rompe el saco.

  • 日本語訳:
    強欲は袋を破る。
  • 日本のことわざ:
    (近い意味で)大欲は無欲に似たり / 二兎を追う者は一兎をも得ず
  • 意味:
    あまりにも欲張りすぎると、結局は手に入れたものすべてを失うことになる。
  • 使い方:
    過度な欲望を持つことへの戒めとして使われます。満足を知ることの重要性を示唆します。
  • 由来/文化的背景:
    人間の持つ「強欲」という感情がもたらす破滅的な結果を、袋が破れて中身がこぼれ落ちる様子に例えた分かりやすい表現です。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる?(逆の視点)

Quien mucho abarca, poco aprieta.

  • 日本語訳:
    多くを抱え込む者は、少ししか握れない。
  • 日本のことわざ:
    二兎を追う者は一兎をも得ず / 器用貧乏
  • 意味:
    一度に多くのことをやろうとしたり手広くやりすぎたりすると、どれも中途半端になり、結局何もきちんと成し遂げられない。
  • 使い方:
    目標を絞り、一つのことに集中することの重要性を説く時に使われます。
  • 由来/文化的背景:
    焦点(フォーカス)を当てることの重要性を示す、効率性に関する教訓です。

犬も吠えれば噛みつかぬ

Perro ladrador, poco mordedor.

  • 日本語訳:
    よく吠える犬は、あまり噛まない。
  • 日本のことわざ:
    吠える犬は噛みつかぬ
  • 意味:
    口先だけで威嚇したり、大声で脅したりする人は、実際には行動を起こさないことが多い。
  • 使い方:
    口うるさい人や脅し文句を言う人に対して「見かけほど怖くない」と評する時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    人間の行動や心理を動物に例えた、観察眼の鋭いことわざです。

靴屋は靴のことだけ

Zapatero, a tus zapatos.

  • 日本語訳:
    靴屋よ、お前の靴(の仕事)に戻れ。
  • 日本のことわざ:
    餅は餅屋
  • 意味:
    自分の専門外のことや、よく知らないことに口出しすべきではない。
    自分の本分や専門分野に集中すべきだ。
  • 使い方:
    専門外のことに口を出す人への忠告や、自分の役割に専念することの重要性を説く時に使います。
  • 由来/文化的背景:
    古代ギリシャの画家アペレスの逸話に由来するとも言われる古いことわざ。
    専門知識や分業を尊重する考え方を示しています。

こちらもどうぞ > 世界の有名なことわざ

スポンサーリンク

コメント