猫に小判・猫を被る・窮鼠猫を噛むのように、猫が出てくることわざや慣用句には、猫の性質やしぐさ、好物との取り合わせを使ったものがあります。
猫舌・猫撫で声のような猫を使った言葉も含めて、28語を意味とあわせて紹介します。
猫の性質・しぐさにたとえた言葉
- 猫を被る(ねこをかぶる):
本性を隠して、うわべだけおとなしく見せること。
また、知っていながら知らないふりをすること。 - 借りてきた猫(かりてきたねこ):
ふだんと違って、ひどくおとなしくしているありさまのたとえ。 - 猫の目のように変わる(ねこのめのようにかわる):
物事の状態や人の心が、短期間にめまぐるしく変化する様子。 - 女の心は猫の目(おんなのこころはねこのめ):
女心は、猫の目のように変わりやすいということ。 - 猫が顔を洗うと雨(ねこがかおをあらうとあめ):
猫が前足で顔をこする仕草を、雨が近いしるしとみる言い伝え。 - 猫は三年の恩を三日で忘れる(ねこはさんねんのおんをみっかでわすれる):
猫は三年飼われた恩をたった三日で忘れるように、人の恩をすぐに忘れてしまうということ。 - 猫糞(ねこばば):
悪いことを隠して素知らぬ顔をすること。
拾った物を届けずに、自分のものにしてしまうことにもいう。 - 猫を殺せば七代祟る(ねこをころせばしちだいたたる):
猫は執念深い生き物であり、殺すと子孫の代まで祟りが及ぶという言い伝え。 - 上手の猫が爪を隠す(じょうずのねこがつめをかくす):
本当に能力のある者は、それをひけらかすようなことはしないことのたとえ。
好物や鼠との取り合わせ
- 窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ):
追い詰められた弱者が、死に物狂いで強者に反撃することのたとえ。 - 猫にまたたび(ねこにまたたび):
大好物のたとえ。
また、与えたものの効き目が著しく現れること。 - 猫に鰹節(ねこにかつおぶし):
好物をそばに置いて油断できないこと。
また、危険であることのたとえ。 - 猫に魚の番(ねこにさかなのばん):
過ちが起きやすい状況を自ら作ることや、油断して危険な相手に物を預けること。 - 鰹節を猫に預ける(かつおぶしをねこにあずける):
信用できない相手に大切なものを預け、自ら過ちを招くことのたとえ。 - 猫を追うより魚をのけよ(ねこをおうよりさかなをのけよ):
表面的な問題を処理するよりも、その根本的な原因を取り除くべきだという教訓。 - 猫の首に鈴を付ける(ねこのくびにすずをつける):
いざ実行するとなると、引き受け手のいない難しいことのたとえ。 - 鳴く猫は鼠を捕らぬ(なくねこはねずみをとらぬ):
よくしゃべる者は、かえって実行しないということのたとえ。 - 猫に会った鼠(ねこにあったねずみ):
すっかり縮み上がって、策略なども浮かばないこと。
また、危難から逃れられない様子。 - 猫の魚辞退(ねこのうおじたい):
猫が大好物の魚をことわるように、内心では望んでいながら、うわべだけことわることのたとえ。
また、長続きしないことのたとえ。 - 皿嘗めた猫が科を負う(さらなめたねこがとがをおう):
主犯は捕まらずに、小者だけが罰を受けることのたとえ。
身近な猫を引き合いに出したたとえ
- 猫に小判(ねこにこばん):
価値の分からない人に貴重なものを与えても、何の値打ちもなく役に立たないことのたとえ。 - 猫の手も借りたい(ねこのてもかりたい):
非常に忙しいため、誰でもいいから手伝いがほしい状況。 - 猫も杓子も(ねこもしゃくしも):
誰も彼も、何もかも残らず、という意味。 - 猫の額(ねこのひたい):
土地や場所の面積が非常に狭いことのたとえ。 - 猫の子一匹いない(ねこのこいっぴきいない):
人が全くいないこと。
猫を使った言葉
- 猫舌(ねこじた):
熱い食べ物や飲み物を口にするのが苦手なこと。
また、そのような人。 - 猫撫で声(ねこなでごえ):
相手の機嫌を取るために出す、やさしくこびる声。 - 猫可愛がり(ねこかわいがり):
猫をかわいがるように、むやみに甘やかしてかわいがること。
猫のことわざ・慣用句に使われる見立て
猫が出てくることわざや慣用句は、猫の好物、性質や様子、体の一部、鼠とのやり取りを借りて、人の様子や物事の状況を言い表しています。
見立てに使われる猫の要素
| 要素 | 代表例 |
|---|---|
| 好物 | 猫にまたたび/猫に鰹節/猫に魚の番/鰹節を猫に預ける/猫を追うより魚をのけよ/猫の魚辞退/皿嘗めた猫が科を負う |
| 性質・様子 | 猫舌/猫が顔を洗うと雨/借りてきた猫/猫撫で声/猫は三年の恩を三日で忘れる/猫糞/猫を殺せば七代祟る/上手の猫が爪を隠す |
| 体の一部 | 猫の額/猫の目のように変わる/猫の手も借りたい/女の心は猫の目 |
| 鼠との関係 | 窮鼠猫を噛む/猫の首に鈴を付ける/鳴く猫は鼠を捕らぬ/猫に会った鼠 |
好物・性質・体の一部の使われ方
好物を使った言葉は、好物をそばに置かれた猫の姿を借りて、油断できない状況や、効き目の大きさを表します。
性質や体の一部を使った言葉は、猫が熱い食べ物を嫌うこと、猫の額が狭いことのように、猫の特徴をそのまま意味に結び付けています。
鼠が出てくる言葉は、猫の首に鈴を付ける・鳴く猫は鼠を捕らぬのように、猫が鼠を捕る間柄を借りて、実行の難しさや、口先だけで実行しない者を表します。
- 好物から:
またたび・鰹節・魚のように、猫がそばにあると手を出す物を持ち出す。 - 性質・様子から:
熱い物を嫌う、顔を前足でこする、よそでおとなしくなるといった猫の様子がたとえになっている。 - 体の一部から:
額・目・手のように、猫の体の一部を使った言い回しもある。 - 鼠との関係から:
鼠が猫の首に鈴を付けようとする、鳴く猫は鼠を捕らないといった、猫と鼠の間柄を言い回しにしたものもある。



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